20121123

ご近所さんといっしょ 2 屋内消火栓と屋外消火栓

消火栓には「屋内」「屋外」の2種類があります。

【屋内消火栓と屋外消火栓の違い】

1 使用者
 ざっくり言うと、屋内消火栓は初期消火用であり、その建物の使用者や近くにいた一般の方が使うため。
 そして、屋外消火栓は基本的に消防隊の方が使うためのものです。



※1 ただし、状況によっては屋内消火栓を消防隊の方が使用することもあると聞きました。
「状況によっては」というのは微妙な言い方ですが、もしかしたら放水口が何らかの理由(ホース内のゴムが劣化していたり、放水口に水が上がってこなかったり)で使えなかったり・・・などということでしょう。

※2 また、阪神大震災以来、地域での消防力を高めようと、地域住民に屋外消火栓の取扱いについて啓蒙している自治体もあります。





2 設置者と水源
 屋内消火栓は、その建物の設置者が設置するものです。水源は基本的に防火水槽です。
 ですから、消防隊の方々が到着する前に使用することができます。
 送水口に共用として接続してある場合もあるようですが、それでも防火水槽への連結がなくてはなりません。

 





























↑羽田空港(国際線)に設置されている屋内消火栓

屋内消火栓には1号と2号があります。
・・・・・と言っても別に戦隊物ではありません。

2人以上で協力して操作しなければいけないのが1号。
筒先担当とバルブ開閉担当に分かれます。
筒先担当が構えを完了したら、開閉担当がバルブを開けます。二人で声をかけあって消火します。筒先はしっかり構えていないと水圧で振り回されてしまうので、火事ということと合わせてとてつもなく緊張感があります。

2号は1号より消火機能は落ちますが、一人で消火できるようになっています。
が、現在は1号と同じ性能のまま一人で消火できる2号消火栓ができているとか。
さすが日本。


↑2号消火栓であることを示すマーク。






 一方、屋外消火栓は公的なものです。
 まちづくりの一環として計画的に設置されます。
 道路上でよく見られますが、地下に設置されていることが多く、鉄蓋で塞がれています。黄色く塗装されたり、周囲を黄色い栓で囲われたりしているので目立ちます。



 この下にどのようなものが入っているかというと、こちらのサイトさまなどをご覧下さい。

角田鉄工株式会社さま
http://www.stk-valve.co.jp/product/shoka.html

協和工業株式会社さま
http://www.kyowakk.com/firehyd.html

水源としては、消火栓によって上水道に繋がっているもの、防火水槽に繋がっているものがあります。

消防展に行くと、このように地下消火栓を操作するところを見せてもらえたりします。
http://sousuiko.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html









 雪が多い、地下に設置することが難しいなどといった地域特有の理由がある場合、このように地上式の消火栓を見ることができます。近くには必ずホース格納箱があるはずです。









消火栓と言えば北川鉄工所さま、という雰囲気がありますが(個人的に)、

 最近は上の写真のようにスマートな消火栓も造られるようになっています。
因みにこのステンレス消火栓の製造元は前澤工業さまです。
前澤(まえざわ)工業さまといえば、製品にはなぜか「マエサワ」と書いてあることで有名で(私の中で)、長らく謎であったのですが先日下水道展にて社員の方に突撃インタビューしたところ、

「別に誤植じゃない」
「製品に濁点がつくのは何となく商売上縁起が悪い」
らしいから、
ということが判明いたしました。

因みにそのとき「これからはもうレトロなタイプの消火栓は製造しないのですか!!?」
と聞いてみました。
需要がある限り、製造を続けるそうです。
自治体のみなさん、宜しくお願い致します・・・。


【採水口と屋外消火栓】
万が一火災が起こった場合、消防隊の方々は採水口からも、屋外消火栓からも、もちろん近くの川や池、プールといった消防水利からも水を得ることができます。

ではなぜそんなにいくつも必要なのか。

もちろん火災のときに
「水が足りない」ということはあってはならないことです。
ですから、できるだけ多くの選択肢をつくっておく、ということだそうです。


そうなるとここで疑問が出てきます。
「消防隊の方々は、まずどれから水を得るのか」ということです。

さて、みなさんはどう思いますか?


上記のように屋外消火栓は自治体による設置。
採水口は屋内消火栓と同じく建物の設置者による設置です。
そして、採水口は基本的に防火水槽に繋がっているということです。

火災のときにはできるだけ
速やかに、そして大量の水を供給することが大切です。

ですから、わざわざ圧をかけて水をひきあげ、しかも限界がある採水口ではなく、
先ずは屋外消火栓から水をとる、のだそうです。
屋外消火栓が上水道と繋がっているということは、
水に限界はなく、既に圧力もかかっているということです。
また、消火作業が終わってから使った水を補充する必要もありません。


しかし、屋外消火栓が見つからない時。すぐに使えない時。(積雪や駐車など)
そんなときには採水口が大活躍するというわけです。




これはとあるY市の消防局の方に聞いたものなので自治体によって違う、かもしれませんが、非常に納得のいく答えだなあと思った次第です。





最後になりますが、このところ屋内消火栓のおしゃれ化がすすんでいます。
外壁に合わせて
青やら
ピンクやら
茶色やら
模様付きやら・・・・・
私としては白い金属扉に金文字(立体)が好きなのですが、これもまた減っていくのでしょうか・・・・。

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