20130226

おしかけしりょう③・・・壁埋設型その2【たくさん編】

ラインナップ第三弾、壁埋設編その2【たくさん集まっているタイプ】。

 たくさんある、ということは対象の範囲が広くまた高く、ということです。
 いろいろ送水口を見てきて、大きな建物で、その建物の多くの辺が道路に接しているようなところで、且つ消防施設を刷新していない古いところにはこの集合タイプは殆ど見られません。
 どうなっているかというと、前回紹介したような一組、あるいは送水口と採水口(防火栓)セットなどが建物の数ヶ所に散って設置されてあります。火事が起こっているところの近くに消防自動車をつけて消火するということでしょう。


 例えば私の大好きなニュー新橋ビルは素晴らしき昭和40年代ものの【スプリンクラー送水口、送水口、採水口】セットが、


先ず正面に一つ。


ぐるっと歩いてもう一セット。



更に回ってもう一セット。





と、なんと3セットもあるのです。
うーむ、なんという至福・・・・。
なんという愉しみ・・・・・・。

しかし、恐らくは配管技術の進歩から、そして消防時の効率化を図るためにこの集合タイプが多くなってきたのだと考えています。
集合タイプは或る種の迫力があり、技術の粋を見せているという点で見逃すことはできません。
しかし、古き良き送水口を探す喜びを追究する人にとっては少々味気ない感じがするのではないでしょうか。


とはいえ、恐ろしい火事をできるだけ早く消すためには、そりゃこっちがいいってもんです。
これから立て替えられる大きなビルは全てこのタイプになっていくことでしょう。
寂しく、切ないことです。・・・いえ、そう言ってはいけません。

というわけで、いきます。




1 並べ方から
(1)基本形×α
 前回紹介した壁埋設が複数並んでいるタイプ。
 

さて、もうおわかりの方もいらっしゃいますね???
そうです。新しくなったTHE・東京駅です。
東京駅はさすがに広い、というか長いので、逆サイドのほぼ同じ位置にも同じような構成の送水口があります。(更に深い横須賀線などの区画のために、古い送水口が少しはなれた場所にまだ残っています。)こういうのを見ると、たくさん消防車が来ても大丈夫、と安心します。


(2)ひとまとめ
 縦横にびっしり並べているタイプ。


 送水口を取り付ける面積を小さく、ということでしょう。ただし上のタイプと異なり、万が一の場合にはこれらの送水口に全てポンプをとりつけられるのか、消防車は混み合わないのか、という疑問が・・・。
 とは思いますがよく見れば右側は全てスプリンクラー用送水口です。他のページでも書いていますが、スプリンクラー用は基本的に水損を最小限にするために消火範囲を分割していますのでこれら全てが一度に使われることはないのではないかと予想できます。
 見る方としてもうろうろせずに一度に鑑賞・撮影できるありがたいタイプと言えます。


(3)横ならび
  ①平面
 
ずらーっ。



  ②曲面

ずら~っ。


2 配置

 集合させるとき、それぞれの送水口をどう並べるか、ということがあります。

(1)縦×α

鎖の垂れ方が美しい。



(2)横×α
いや、これも美しいです。


なんだか資料編といいつついろいろ語ってしまいそうなので今回はこのあたりで。




20130224

おしかけしりょう②・・・壁埋設型その1【単口および双口×1】

ラインナップ第二弾、壁埋設編その1【単口および双口×1】。

 自立(スタンド)編では、立管の形状を基本とし、合わせて蓋の種類、鎖の連結物、表示方法などを紹介しました。
 今回の壁埋設編では、取り付けるためのプレートやキャビネットなどの形状や設置状態を中心にざくざく紹介していこうと思います。
 なお、次回第3弾は壁埋設その2。
 第4弾はアーケード型、・・・・・・そしてここまできたら更に続けます。
 
 どなたもご覧になっていなくても続けます。
 
 第5弾「その他」として「表示形式・文例、表示灯、送水能力表示、区域図・位置図などについて」 第6弾「実際の送水口の設置について」と紹介していく予定です。


 目次
1長方形プレート:板状
(1)ステンレス(横、縦)
(2)鉄合金
(3)銅合金
2長方形プレート:額縁状
(1)凸
(2)凹
3丸プレート
(1)丸
  ①現行露出Y型
  ②旧式露出Y型
  ③単口
(2)小丸に上部扇形、下部に小さな半円
(3)小丸に上部扇形、下部に更に小さな丸、途中接続
4格納型
(1)キャビネット。接続口露出
(2)ドア。全格納
5おまけ
(1)プレートなし
(2)大きい・・。


1 長方形プレート:板状

(1)ステンレス:最近はほとんどこれです。
  
※表示はプレートにゴシックでプリント。ねじ式・円周に6つの小凸蓋。


 
※次回にも登場しますが、縦の双口もあります。ねじ式、薄い双で細い円柱。表示はプレートに彫り込み。鎖はマンテル、接続口の中間右側、釦状金具に連結。


(2)おそらく鋳鉄
  



 ※(接続口は銅合金)薄蓋角爪。表示は金属プレート、明朝体の金属文字貼。鎖は接続口最下部の中間に釦状金具に接続


(3)銅合金
  

※銅合金はその金属配合の違いにより、色がさまざまです。金属には詳しくないので素人知識ですが・・・・・これは茶色。いわゆる真鍮(黄銅、亜鉛が多い)はぴかぴか金色です。ただし手入れを怠ると緑青がうき、水色というか浅葱色というか、それはそれで素晴らしい色合いになります。
※差込式。 表示はプレートに彫り込み、丸ゴシック?。鎖は接続口中央より少し下の中間の輪状金具に連結


2 長方形プレート:額縁状
 
 (1)額縁状凸
  

※銅合金、真鍮。撮影時に自分が入り込まないか注意が必要。プレートは薄い額縁状凸。縁は斜め。差込式。表示は直接プレートにレリーフ(が多い)。隷書で旧字体。マンテルチェーン。接続口最下部の中間に釦状金具に接続。


(2)額縁状凹
 
※プレートと縁のみステンレス、額縁状凹。ねじ式、側面に円柱爪。表示は明朝体の金属文字を貼り付け、送水圧力のみシール。鎖は接続口最下部よりさらに下の中間に、細い輪状金具に接続。白いロングリンク一つあり。
※額縁部に表示があるものもあります。




3 丸プレート
 丸プレートに上のような双口接続口がつくことはありません(と思います)が、下のような露出Y型がプレートについていることはたまにあります。

(1)まる。
 ①露出Y型。型としては現在も販売中です。
  


※薄い板状蓋、角爪。接続口の円柱爪が長い。表示は丸プレート上部に楷書体で彫込。


②古いタイプの露出Y型。
  ぽっこりとした本体から接続口が出ています。
  
  

 ※ねじ式薄い蓋丸爪。表示はプレート部に扇型の金属板に書いていた、ものを消して上部にプラスチック表示。


③単口
 丸いプレートに単口の接続口がつくとこうなります。
 

 ※表示はプレートに直接彫込。プレート回転。(いまは静止)鎖は連結なし。




(2)小丸に上部扇形、下部に小さな半円。
 (丸プレートの中でも古いものが多いです。たいていお宝品になります。)
 


 ※旧式露出Y型。ねじ式、蓋は厚めで比較的太い円柱、金属に赤く彩色、退色。
鎖は下部の半円部分にある釦状金具に連結。



(3)上部扇形、下部に丸、途中接続
 (このプレート自体お宝。老舗百貨店などに残っています)
 


※旧式露出Y型。差込部分が重層になっている。憶測だが、ホース接続径に合わせて外す部分を替えていた?蓋に相当する部分にはチューブ状のゴム(プラスチック?)。鎖は外れているが、双口の中央部に本体と一緒に鋳造したと思われる連結金具あり。下部の丸についているものはおそらく水抜き弁。




4 格納型
(1)キャビネット入り。接続口露出
 一式箱に入っています。こういう仕様で販売しています。
 なお、「ご要望により各種塗装、素材変更にお応え」してくださるそうで、「御影石柄塗装」などもあります。



 

(2)ドアつき。全格納。
 あけてはいけないと思うのであけていません。ですから内部はよくわかりません。
 なお、ステンレスプレートを打ち付けて覆っているものがありますが、それは使用不可になったものです。
 


5 おまけ
(1)プレートなし
 ①おしゃれのためにナシ。
  デザインの一環として意図的になくしているもの。
  (軒下さん撮影。このとき私のカメラが機能しなかったのでデータを頂きました。)
  

 ②目立たせないようにナシ。



 ③こわれてしまってナシ。


(2)ちょっと大きい・・・。
 理由は不明です。



 

20130223

おしかけしりょう・・・ 自立(スタンド)型編

送水口のTシャツができるかもしれないというウワサ?を聞きつけ、勝手に送水口の型ラインナップをつくってみました。



きっと迷惑でしょうが
むしろ失礼かもしれませんが
自らをとめられませんでした。



モンスターペアレントに知らず知らずなってしまう親の気持ちがすこしわかりました。



とりあえず必要と思われる要素を詰め込みながら9タイプ取りあげてみました。
まだありそうですが、外出の時間がせまってきたのでとりあえずアップいたします。
外壁埋込、アーケードなどもありますが、それは次回。(勝手につづける)



自立型(スタンド型)送水口

① 
頭部丸型。  
蓋は薄い一枚板で爪が丸いねじ式。
接続口は厚く膨んでいる。
鎖は金属輪に連結、ビニルカバーつき。
表示は立管に明朝体で彫り込み縦書き。
足元には丸プレート、文字ナシ。






②①と似ていますが、爪がしかくいタイプ。
  表示は足元に楷書体で彫り込み。



③頭部扁平。
 蓋は厚めのねじ式。爪は側面円柱。
 鎖の輪は少々大きめ。釦的な金具に連結。
 表示は立管に隷書体で彫り込み横書き。
 真鍮。





④頭部突出。管太め。(この二つの属性はおおよそセット)
 本体はステンレスで蓋のみ鋳鉄。蓋の仕様は↑とおなじ。
 鎖は本体につくりつけの金属輪、穴は横向き に連結。
 左の送水口のみミニスカート付き。
 表示は外壁にプレート。送水口は明朝体横書き。
 スプリンクラー用はプレート丸ゴシック横書き、立管にシールもあり、ゴシックで横書き。






⑤差し込み口が頭部となめらかに連結していない型。
 蓋は薄い板状の歯車タイプ。
 足元のプレートに表示。楷書体。





⑥頭部は扁平で、立管の接続口の部分が薄くなっているタイプ。
 縦双口。
 蓋は差し込み式。
 鎖は側面の金具に連結。
 表示は赤字で立管に縦書きプリント。









































⑦頭部扁平、双口、並行型。
 蓋はプラスチックで使用時に破壊するタイプ。
 (黒に青ペンキで塗ったのはメーカーではなく設備の使用者。)
 




⑧蓋がアクリルのもの。
 使用時に割るために予め十字の溝が掘ってある。
 不透明、透明。色は赤、青(ライトブルー、紺)、オレンジ、黄色、黄緑、無色など。
 表示は金属プレート。






⑨最近よく出回っているタイプ。なので私はあまり持っていません。
 双口、縦型。
 および、
 単口。
 ストレート。口金下向き。
 いずれも差し込み式。
 鎖は双口は前面の送水口からみて左側の金具に連結、
 単口は前面正面金具に連結。

















おまけ。自立型採水口。採水口はたいてい爪が長いです。

今日の一枚 011→015


今回は「あまり送水口を見ることができないシリーズ」。

*************************************
NO.11
2月6日(水)
 今日はおしごと早くあがって横浜でお買い物してきました。リフレッシュ!でも歩き疲れたのでもう寝ます。お休みなさい。寝る前に一枚。沈黙の一枚。この後ろにつながっている配管も静かに眠り続けるのです。


広島で撮りました。表示は残す。塞ぎ方はとても丁寧な仕事。それらが一層消失感を際だたせていました。

*************************************
NO.12
2月7日(木)
 うがー(>_<) と言いたい日もある。それでも陽はまた昇る、かもしれない。お休みなさい。寝る前に一枚。沈黙の艦隊的一枚。わたしも蓋がほしい・・・。


こちらは表示も剥がされています。すこし壁面が削られていたのできっとそこにプレートがあったのでしょう。この奥にも赤アクリル。あるいはもっと古い時代の金属蓋か。


*************************************
NO.13
2月8日(金)
 おなかいっぱい焼き肉食べてたくさんお酒飲んで、いまとてつもなく眠いのです。もうだめなのでお休みなさい。寝る前に一枚。梱包芸術の一枚。おばあちゃんたちの原宿ですが私の青春のまちでもある巣鴨にて。


外したくなります。
人通りも少ないし。
(外してないです)


*************************************
NO.14
2月9日(土)
 3連休一日目。お仕事→横浜で沖縄料理ランチ→横浜美術館、に行ったけど展示は見ずに帰宅→おうちでキムチ鍋。おなかいっぱい。なのでそろそろ寝ます。お休みなさい。寝る前に一枚。梱包の一枚。昨日に引き続き、です。東京タワー付近。


 梱包群は「新品開封待ち」と「水漏れやら亀裂やらで修理待ち」に分かれます。改修待ちはこんなふうにレジ袋かなんかで包まれてしまうのです。


*************************************
NO.15
2月10日(日)
 今日は美術館はしご。まだ寝ないけれど、酔っばらいなので今のうちに一枚。これもまた梱包の一枚。水漏れしちゃって改修まちなのでしょうか。包帯がとれかけている患者さんのようで心配になる物件でした。




横浜美術館で「ロバート・キャパ、ゲルダ・タロー」展、ミッドタウンで「デザインあ」展を観に行った日。写真は大胆な梱包の一枚。全身梱包。の割には上部に隙有り。






20130217

hirosimahirosima5 THE LAST 不透明青アクリル!


【不透明青、いきます!】

↑まずはこれ!!!!!
タクシーの中から懸命に撮影しました。
がんばりました。
運転手さんは何だと思ったことでしょう・・・・・・。


何がそんなに、とお思いでしょうが、↓が透明青アクリル。
これはこれでとっても美しいのですが、わりと見かけることができます。

透明青アクリルが少し紺のような趣を見せているのに比べ、
不透明青アクリルは、まさに青!
いやスカイブルーとでもいうべき爽やかさ!!




↑右の自動販売機まで染まってしまったような(ちがいますね)美しさ。



↑スタンド型も。
しかし、よく見てください。これ、こちらから見て左側は不透明赤アクリルなのです。
なんという貴重な物件なのでしょう。
ここに住みたい。



 題名に「レア!」と付けようとしたのですが、
「うちの地域には溢れてますよ~」などということがあるということも考えられますので、ここは落ち着いてみたしだいです。




おまけ1。

かわいそうな物件。
はやく修理してあげてほしいです。
これもマンションのゴミ捨て場に設置されている例。


おまけ2。

「今日の送水口」でもとりあげたものですが、不透明白!!!
と思わせて実はアクリルではなく触るとぽこぽこ言うプラスチック?製でした。
これも他で見ないので、どこかで見たという情報があればお寄せいただきたいです。


広島の送水口はこれで一旦終わりにします。
おつきあい頂きありがとうございましたm(_ _)m


20130213

hirosimahirosima4 不透明赤編


【やっときました不透明。まずは赤アクリルから】

というわけで、やっと不透明アクリルチーム。赤からどうぞ。



↑スタンダードな赤。
さすが広島赤ヘル軍団、と思ったのはわたしだけでしょうか。
ちなみに改修でオレンジになっているということは、
まさかサンフレッチェのチームカラーが・・と思いましたが、それは
「青紫」
だそうです。うむむ・・・。





↑なぜかごみ捨てスペースに壁埋設が設置されているものが多かったです。
これも地域柄なのでしょうか。




↑お洒落な看板に切断されそうな露出Y型。
わたしは丸プレートが好きです。




↑まわりがプレートごと白く塗り込められてしまっているのがコワイです。
向こう側にある透明オレンジがクールに見えます。
パチンコ屋さん、というかゲームセンターの送水口。






↑さて。使われなくなった送水口や採水口をプレートで隠してしまった物件。
ただ一つ残された送水口は不透明赤アクリル。








↑上の物件と同じ場所で撮影した送水口。
こちらはまだ生きています。
「第5コア」という表示から「ああ、あそこか」とおわかりの方もいらっしゃるでしょう。
「決して住民の方に迷惑にならぬよう」という注意を守って行ってきたつもりです。
ここの送水口の美しさは古き良き送水口が好きな方ならば見逃せません。
ですから、あえて場所は記さないかわり、表示もこのままにしておきます。
・・・・・この額縁付き凹型の壁埋設が時代を感じさせます。
(※右側は透明赤です)

いよいよ不透明青!へと続きます!!