20130930

日本の中枢で愛を叫ぶ

・・と捕まりますのでしませんが、せっかく素晴らしい建築物が集まっているので送水口採集に行ってまいりました。

つまり何処かというと





霞ヶ関




です!


一応いろいろ支障があるといけませんので名称については多少ぼかして書いていきます。
どういう意味があるのかわかりませんが・・・。


ではまずYSビル。
いきなりヒントがありますがそれはそれとして。




ビルは1969年。送水口はザ・昭和40年代ものと言えるギザ蓋。ただしプレートは取り換えられているようです。


二か所にありました。集合プレートではないところが味わい深い。探索の楽しみがあります。








次はKS省。
新しい。そしてよく見るとかなり贅沢です。石が。
ただの角石かと思わせて実は凝った縁取り。
地味な灰色かと思わせて実は銀色の塗装。
やはりといえばやはり。多くは語りませんが。








JJ院。

石は先ほどと同じ形状ですが、少し年季が入っているようです。
プレートだけを新しくしたのでしょうか、接続口には緑青が降りています。
採水口の爪は短く、開閉弁は無骨です。
一見シンプルでスマートなプレートの奥に潜む実力派。
怖いです。














続いてNS省。
あれ?無いけど無いわけない・・と数歩進むと。







ありました。緑に隠れて。
しかもよく見れば何という表示の巨大さ。
今まで見た中で最大ではないでしょうか。
そして既に露出Yだろうが何だろうが、関係ない石の形と横に長~い開口部。
門の外から撮っているのでこれ以上近づけないのが残念です。

 正門の両側に一つずつ。夜中に見たらかなり迫力ある造形です。






こちらはGDC1号館の送水口。巨大な冷蔵庫が玄関に置いてあるのかと思いきや今はやりの箱型送水口。しかしプレートは連結送水管とスプリンクラー用で個別に付いているようです。スプリンクラー用は色分けされているようにも見えますが近くに位置図はありません。警備員さんがずっと見ていたのでここはこれ一枚。


BGS会。
ここは建物の名前を彫った石もご紹介したいところですが我慢。


KSB所。


二か所あったのですが、どちらも表示がぼろぼろです。
送水口は新しいのに。 
可哀想なほどです。きっと納得いかない人たちが、というのは冗談として、二つの表示灯が印象的なこのプレート。
上の表示灯はブースターポンプ起動を知らせるもの、下の表示灯は消防用水のポンプ起動を知らせるものです。いずれも点滅して知らせます。

※ブースターポンプ・・・建物が高く、出火場所が高層階だった場合。送水口からポンプ車で圧をかけてもたどり着きません。ですからこれを使い、途中で助力するというわけです。

※消防用水のポンプ・・・ビルの防火用水から消防車両が使いやすい場所まで水をひき、取水する場所となるのが採水口です。ポンプ車で吸い出すわけですが、水槽出口付近に加圧送水装置がついているものもあります。



こちらはKSB所。伏字にすると上と区別付きません。KTSB。まだ駄目です。まあいいです。
一直線に並ぶ集合プレート。生真面目加減が安心できます。しかし上のKTSB所(同じですね)は爪がすべて横並び。僅差で敗訴、いや敗北。惜しい。


防火栓と採水口。採水口(二つ分)には消防用水という但し書き。
全て同じ用途ですが、水槽が異なるということなのでしょうか。消防隊の方にも聞きましたがわからないままです。謹んで調査を継続致します。それにしてもこの「火」の字が可愛い。







そして今回私が敗北したのがこのKSG庁舎。
ここには、ボックス型のものが二つ外から見つけられますが、



警備員さんがつめている場所の奥に自立型送水口の群れがあったのです。
門の向こう側です。
警備員さんは二人。プロです。そりゃそうです。
さすがに「撮らせてください」と言ったら不審者としてすぐに捕獲されそうな場所です。いや捕獲で済めばよいのですが。

しばらく逡巡し、さらにそれが疑いを集めてしまいそうだったので今回はあきらめました。










ところで、今回なぜに霞ヶ関か。
それはつまり、オールドプレートを探すためでした。
これだけ重厚な建物があるのだから、と思ってきたのですがこれがなかなかありません。
ぴかぴかのステンレスが多かったことから、取り換えられたものが多かったといえそうです。

そんな中、とうとう見つけました。



近寄れなかったので、英語表示かどうかはわかりませんが(恐らく文字表記なし)、かなり古く、且つ珍しい型のものであることは間違いありません。
送水口ではなく、採水口ですが。二か所ありました。

 

赤いのは開閉弁で、下向きの接続口となっています。使いにくそうですが、確かに生きています。触れたい衝動に駆られますが、ここにも警備員さんが。
とても優しそうな方ですがだからと言って気を抜くわけにはいきません。
いやしかしかっこいい。
さすがZM省、と言えそうです。


採水口があるんだから送水口はどこだ、と気色ばんで探す私。
しかし。
ありません。




見つかりません。




そのとき。







あっ!!


「送水口」・・・・・・!!!


これはひどい・・・・。(泣)



どこからどうやっても見えません。
いったい有事のときにはどうするのでしょうか。
ZM省・・・・・。

しかし消防水利は充実していて、上の二つの採水口。消火栓表示が二つ、かな。
そして消防水利の標識も別にありました。
これはかなり無理をして望遠で取った消火栓。はっきりとは見えませんが、北川鉄工所さまのものでしょうか。






そういえばMK省は?とか(見当たらず)
どうせならこのままKKへ!(それはいずれ)
KSG庁舎リベンジ!!(・・・・・・・・・・。)

などと気合はありつつ今回はここまで。
長い記事となりました。最後までお付き合い頂きました方がもしいらっしゃいましたら感謝感謝です。
ありがとうございましたm(__)m


あ、まだありました。
スプリンクラー用の地下式送水口です。
下は消防用らしく黄色い枠があるもの。よく見ると上はかなり摩耗しているだけで同じもの・・・・でしょうか。送水圧力の単位がkg/㎠なので(今はMPa:メガパスカル)古いタイプであることは間違いありません。いつごろか、と言われるとわかりませんが・・・。ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。よろしくお願い致します。




20130922

色彩の港と歩きにくい街 その2 送水口編


千葉駅周辺の宝。


一つ目。


え?消火栓?いやしかし屋外消火栓にこんなふうに表示する?
と、何やら胸騒ぎがして近寄ると・・

車の向こう、隣の建物との細い隙間に送水口が!!




岸本産業さま製造の露出Y型が役目を終えてひっそりとしていました。
前面も右側もホースが絶対に接続できない場所で。
消火栓と呼ばれたままで。





二つ目。
千葉駅ホーム横。
地下通路のスプリンクラー用のようです。


壁埋設型をまったく埋設していないという物件。
かなり大胆に露出しています。
蓋がないのが気がかりです。

ふう、という感じでもたれかかる。



配管を辿っていくと、入り口近くで潜っていきました。さらに辿るとスプリンクラー調整室へ。
こんな物件がいつもそばにあるなんて羨ましいです千葉市民。


三つめも空中プレート物件。(たった今命名)


寧ろ柵にプレートつけたらよかったのではないかとも思ってしまうのですが、柵はあとからつけたのかもしれませんね。それにしても丁寧な仕事です。

因みにここはモノレールの下付近。
懸垂式なのに左上のトラスの箱は?というところですが、家族によればこの下はJR。
「万が一」の場合のために設置したのでは、とのこと。
これ自体が落ちてきたら一層被害が甚大になるような気もしないではないですが。



空中プレートが自立式についているのは少ない方です。しかも二ついっぺんに、というものは初めて見たかもしれません。これは採水口ならではでしょう。
蛇足ですが、これを撮影中かなり蚊に刺されました。相変わらず蚊にだけ好かれます。





さて、三つ目です。

今回二つ目の消火栓表示ですが、さてどうしたものか。
上のものは明らかに間違いですが、これは意図的なのかそうでないのか。

左側のものは採水口です。
よく防火栓表示のものを見かけますが、これはかつての井戸など、古い防火水槽に接続していたものに多いと聞きました。
しかし消火栓とは。
消火栓は屋外のものと屋内のものがあり、屋外のものは地下式と地上式があります。基本的に上水道を使用、圧がかかっている状態であるので接続すればすぐに採水することができます。
一方採水口はその建物事態に設置されている防火水槽に接続しています。
消防用水をここから採取するという目的は確かに一緒ですが、採水口に繋がっているのはただの「箱入りの水」ですから採水のときにはポンプが必要になります。
もちろん管轄の消防隊の方々はそんなことご存知なのでしょうから表示が間違っていたってほとんど気にしないでしょうが見ているほうは気になって仕方がありません。
さらに気になるのはこの表示。
放水口?
放水口?
・・・・ここに放水口があるのならば送水口は要らないわけです。とりあえず。


間違いをあげつらうわけではありませんが、放水口表示はあまり人目につかないのでこうやって堂々と見えているとなんとなく嬉しいのが一つ。
そしてこんなに表示がぶれぶれでもビルの方々はあまり気にならないのかなあと心配になったのが一つ。

因みにこのビル、今でこそヨドバシカメラが入っていますが、かつては三越だったのでは・・・と思わせる定礎や入口の形状。それなのに・・というのがもう一つ。

というわけで隣にある現三越の送水口。


オールドタイププレートでこそありませんし、左側は新しくなっているのでしょうが、右側はスマートなデザインの壁埋設。銅の色合いも鮮やかで地味ですが個人的には逸品と思えます。
箱型プレートはそれだけで風格があります。
しかも表示板にXTCというロゴマーク。凝っています・・・。


この手のビルはほかの面にも送水口があるはず、と周囲を歩きます。
ありましたありました。
とはいえ、ちょっと暗くなってきたので残念な画になりました。


 こちらは接続口自体は昔のまま。迫力十分です。
外壁を新たに作ったようで、なんと二段構えの額縁になっています。豪華。



他にもいくつかよい物件があったのでセレクトしてご紹介。

千葉駅工事現場にあった駅用送水口。最近よく見かける支え枠?付き。





明らかに背が高すぎる送水口。立候補中、というか車の上で演説中。









花壇の一部としてメンテされている送水口。
これを撮っていたら待っていた家族にビルの方が「なにあれ、珍しいの?」と質問してきたとか。
「いえ!」と答えたそうですが、それでは私って何者・・・。









JR東日本千葉支社の建物の送水口。
見えているのはスプリンクラー用でしょう。色分けが美しいですが、門の中にあり、入れませんでした。なので外からこっそり撮影。









千葉市役所の送水口。こちらは石庭ふう。
昭和のテイストで素晴らしい建物で、期待していたのですが最近取り換えられたようです。
それにしても使いづらそうです。他人ごとながら縦双口の頭部回転式にすればよかったのにと思わずにはいられません。


因みに、左側の送水口の奥にあったのはこれ。

アース、ですね。函館で見た「接」一文字が書かれたハンドホール、このことじゃないかと家族がぶつぶつ言ってました。

勢いでもう一つ石。
先ほどのJR千葉支所そばにありました。国鉄時代のもの?とか。私はよくわかりません・・。





おまけの最後、フラップゲート。

お、大きいです!!
駅近くの葭川沿いを歩いていたら見つけた900㎜のフラップゲート。
アサヒさまのはよく見かけますがこれはすごい。入れます。私が。



500も並んでました。900を見たあとだとなんとなく可愛く感じられるから不思議です。

アサヒ様以外のフラップゲートもあり。
古すぎて必要以上にフラップしてます。下の方は腐蝕してぼろぼろです。
大丈夫でしょうか。

などとのぞきこんでいたら何やら家族が手招き。
フラップゲート蓋!初めてみました!!
この下には何があるのでしょうか。
詰まったところを掃除したりするのかな?



というわけで千葉編は終わります。

早く工事が終わってほしいとは思うものの、その過程で失われゆくものもたくさんありそうです。
今回も、取り換えたばかりと思われる送水口をいくつか見かけました。
いつまでも歩きにくいまちでいてほしいような気もしますが、それは部外者の傲慢でしかないですね・・・。

色彩の港と歩きにくい街  その1 千葉港編

生命と自然への愛に溢れた爽やかさいっぱいの当ブログへようこそ。



というのは勿論大嘘で、無機物まみれで廃頽感いっぱいですがよろしくお願いします。




さて、千葉に行ってまいりました。
常々家族から「行ったら楽しい」と言われていた場所です。港めぐりはもちろん大好きなのですが、ずっと「寒いからイヤ」「暑いし陽に焼ける(今更)」とごねていた私。しかし昨日はこれ以上ないという気持ちの良い秋晴れです。これはもう行くしかありません。



今回乗ったのは千葉港めぐり遊覧船。
一日一本しか出ないという気合があるのかないのかわからない(失礼)観光船です。
しかし内容は非常に豊かで40分の遊覧の間にこれでもかこれでもかと多種多様な風景が広がってきます。


ザ・港湾と行った感じのモノクロに近い風景はもちろん

思いのほか色とりどりの景色が見られました。





多彩なのは色だけでありません。業種もさまざまです。
説明によれば、製鉄所、ジェット燃料輸送基地、コンテナターミナル、そして食品コンビナートまであるとのこと。
40分なんてあっという間でした。

もちろんこれも忘れてはいけません。


カモメ、
ではなく紅白の巨大物件、ガントリークレーンです。
キリンさんキリンさんと呼んでおりますが、その名の由来の通り、寧ろ「鶴」なのですよね。
めでたいづくし。


遊覧船を降りるとこちらも紅白の消防艇の姿が。


それにしても天気がとにかくよかったことがわかるこの色鮮やかさ。写真への加工はしてないです。


まつかぜ。
いつでも戦えます。


ここで港を出て懸垂式のモノレールに乗り、千葉駅へ。
千葉駅は現在改築中。
非常に込み入った現在の線路を整理すべく工事が進んでいるわけですが、駅の向こうへ行こうと思ってもなかなか行けなかったり、道幅が狭かったりと散歩には多少不向きな状態でした。

しかし、素晴らしい物件に巡りあえました。
が、長くなりそうなので送水口編は次回。