20140708

伝説のキャップ・・・ギザ蓋を巡る

ギザ蓋。

正式名称はわかりませんが、送水口倶楽部では勝手にそう呼んでおります。

ねじ式のみ。
差込式の蓋では見られない、つまり恐らくは東京でしか見られないレアものの一つです。
ある意味首都の首都たる証かと(言い過ぎ)。




どんなものかというと、こちらです。

この送水口は巣鴨駅周辺のものですが、撮影がちょうど2000年。
今から14年前のものです。今もあるかどうかは定かではありません。

私が所謂ギザ蓋と出会った、というかそう意識した初めての物件です。
当時の私はこれを非常に気に入りまして、その後も幾つか撮影したのですが、残念ながらそれらのデータは保存されていません。かろうじて最初の物件が残っていたことが奇跡のようです。

それはともかく、ギザ蓋です。

手持ちの物件を幾つかご紹介いたします。
先ずは赤坂。
水流・・・ではなく「ポンプにM」のメーカーロゴで有名な村上製作所さま製。
この赤は先日讀賣會舘の記事で書いたように琺瑯でしょうか。


鎖がついていないのが残念です。




近くにもう一つ。
こちらは南北製作所さま製でした。



ロゴもプレートも接続口周りも全く異なる二つの送水口ですが、ギザ蓋があるだけでとても似てしまうのが不思議です。
それにしてもこのギザ蓋、本当にそれぞれの製作所様でつくったのでしょうか。
ギザ蓋メーカーさまがいたのではないかと思わせるほど似ています。


続いてこちら。

こんどは蓋に彩色なしです。こちらも南北さま製。全てにおいてまあるい露出Y型の送水口です。


見上げてもよし。


見下ろしてもよし。


左が少し浮いているのは、誰かが回してみたのでしょうか。確かに回したくなる風合いです。
(私ではないです)



霞ヶ関に場所を移してみましょう。
以前も紹介しました(http://sousuiko.blogspot.jp/2013/09/blog-post_30.html)が、先ずはこれです。


さて、こちらは村上さまか南北さまか・・・
この美しい文字、・・・・ということは!

やはり。村上製作所さまのものでした。
ロゴマークは無いものの、接続口にある捻子用の膨らみが目印です。


このデザインは、とにかく「開閉が楽なもの」として開発されたのに違いありませんが、実数が少ないところを見ると、個性が強すぎたのか、メンテナンスが大変だったのか。あるいはいたずらされやすく、持っていかれてしまったのか・・・・・。
実は最後の可能性が高いのではないかと思っています。この蓋だけを見て送水口の蓋だ、とわかる人はそんなに多くはないと想像します。ですから所謂「不法金属売り」の方々にとって扱いやすかったのかも。


この型で新品のものはおそらくないのではないかと思います。
このような薄い「花弁キャップ」はありますが・・・

少しばかり武骨なギザ蓋。その出来立ての頃を見てみたかったです。


追記(平成26年7月12日)
ギザ蓋の詳細について、コメントにて教えて頂きました。
ここまで読んでくださった方、ぜひコメント欄にもお目を通して頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。