20141105

おばあちゃんの原宿とわたしの青春 ~巣鴨白山通り付近を往く~

おばあちゃんの原宿と言えば巣鴨。
他府県の方々はそんな、と思うでしょうが、今は亡きうちのおばあちゃんは本当に月に一回巣鴨にお友達と出かけるのを楽しみにしていました。いつもは嫌がるお洒落をして。私が中学時代に原宿へ行っていたときと同じ表情で。
私も何回かとげぬき地蔵周辺に行きましたが、集っているお年寄りの方々はみんな楽しそうです。当時の私よりもずっと表情が輝いてました。

ということで巣鴨ですが、そんなハイパー原宿とげぬき地蔵方面ではなく白山通り方面をご紹介いたします。
何故かというと、昨年このそばで高校の同窓会があったからです。この送水口があるところです。 
ぴかぴかの集合プレート。スタイリッシュな文字と細い鎖。正に現代風の送水口です。だって私が高校のときはこんな建物ありませんでしたもの。

高校はこの建物の隣。せっかくなので同窓会が行われた建物と高校の採水口・スプリンクラー送水口も撮影しました。高校は建て替えられ、昔の面影は全く・・・いや、ほとんどありません。


まあこれらの写真から高校を特定する人もいなかろうと思っていたら同窓生(しかも女性)にいたので人生捨てたもんじゃありません。その人は今私のお嫁さんです。
・・・・と言ったらもっとすごいのですが、さすがにそれはありません。高校時代はほぼ接点のなかった彼女ですが、今やカラオケ友達になりました。幸せは、どこからやってくるかわからない。

それはともかく巣鴨の送水口です。
ざざざ、と紹介します。

先ずはこちら。



個人的に「もくもくKS」と呼んでいるロゴマーク。
文字から恐らく岸本産業さまのものと思います。
菱形が多いのですが・・・。坂に立っているのでこちらがわのセメントが丁寧で可愛いです。 


上から見るとこんな感じ。頭部に球体を感じない造りです。 

そう言えば、ここのビルが大好きでした。

公園には消防用水利。採水口があります。
おお!この爪の形状は・・・!紛う方無き村上製作所採水口。
村上製作所さまのものは手前の爪は一段こちらがわに出ていて、向こう側の爪は縁取りがしてあります。公園モノには珍しくロゴマークもついていました。 

鎖ごとペンキ塗られちゃってますが・・・

そういえばここにはこんな巨大な小学生の防止のような「蓋カバー(蓋蓋)」もあったのでした。一説によれば文京区だけのものとか。すごいぞ文京区。 

古そうなものもありましたが、それでも昭和50年前後といったところでしょうか。 


表示板が看板のような送水口。この余白が謎です。


最近(と言っても10年以上は経っているかも)できた建物も多く、集合プレートがいくつも見られました。 



こちらは目の錯覚ではなく単に坂道にあるものです。坂の傾斜ではなくやはり地面に平行に設置するのですね。そりゃそうですね。

さてこちらは梱包モノです。

どれも地下用の「連結散水設備送水口」です。三つ並んでいます。三つ子ではありません。実は右側の子が4番目なのです。

だって、頭に「1」

こちらは「2」 

こちらは「3」 

そして、「4」です。
ね? 

足元には珍しく赤色で文字が・・・あれれ、何か黒い。 

と思ったらかなり色がくすんできています。
せっかくの真鍮、ビニールに頼らずに磨いてあげたいものです。

この送水口たち、実はもう10年以上前から梱包されたままなのです。
こちらが2000年に撮ったときの写真です。まだ足元もそんなに黒くないです。
ずうっと窮屈なのかなあ、と可哀想な気も致します。






場所が場所だけに何となく巨大な生き物の顔であるような壁埋設。




サイヤとミーズ」ほどに相思相愛でない送水口たち。
或いは違うドラマがあるかもしれませんが。 
(三角関係かも)




アーケード用送水口。都会的。



さて、ここに単口があります。
どれでしょう(一度やったネタですが)。 

これでしたー。
見つけた時はかなり興奮しました。巣鴨に!巣鴨に何故!!と。
見れば確かに4階建て。けれど周囲に比べ、それほど古いような気も・・・。 


花壇に埋もれ過ぎ系。

プレートだけ金色・・・接続口も磨いてあげたい。

お風呂に浸かっているかのような送水口。固められてます。

一瞬CECさま製かとどきっとしましたが全然違いました。まねっこCEC(ホース接続口の摘み部に捻子山が見えない)。

すべり落ちそうな自立型。


縦書き表示と壁埋設を埋設しなかった系。
鎖を保護したいのかどうなのか。


今回何の主張もなく、もちろん研究の進展もなく、ただ懐かしいという気持ちだけでざっくばらんに書きました。よって落ちもありません。

巣鴨にはまだまだ素敵な送水口があります。
いずれまたご紹介させて頂きます。
皆様ぜひ巣鴨に遊びに行ってみてください。長生きしたいって思います!




20141104

隣り合うライバル

百貨店にホテルに銀行・・・古き良き送水口を求めて彷徨う私ですが、この頃目を付けているのがお役所です。
県庁舎、市区町村庁舎。

先日は世田谷区役所に行ってまいりました。

区役所の隣、区民会館にこんな送水口が。


あれれ?何かヘン・・・・・・・


ん?





右側は、
 頭がまあるいCEC、建設工業社さまの製品です。

ホース固定部のねじねじもこの通り。ザ・CEC。

下の方の捻子スペースが鎖留に使われているのはとても、とてもとても、心から、本・・・っ気で残念なのですが、とにかく建設工業社さまのものであることは間違いありません。









一方左の送水口。このように頭部に平坦な部分をもち、(そのせいで時々お供えされてしまうのですが)ホース固定部に小さな捻子用の膨らみがあります。とすれば勿論これは、
村上製作所さまの送水口です。



捻子はありませんでしたが・・・。

そして鎖も純正品ではありませんでしたが。


とにかく、この日本の送水口史をつくった二大企業の送水口が肩を並べているという事実。
何という豪華さ。何というむず痒さ。
村上製作所の村上さんによれば、スプリンクラー設備と連結送水管設備で分けたのではないかということですが、本当に贅沢な光景です。さすが世田谷区。






こういう光景、どこかで・・・と思ったら新宿でした。

旧マイシティ、現ルミネエスト用の送水口です。
こちら側がCECさま、そして向こう側が村上製作所さまのものです。

実は私が初めて「防火栓」に出会ったのはここでした。
まだ2000年になる前、旧サイトを運営しているときです。ときどきBBS(!)に書き込んでくださる方の中に消防士さんがいらっしゃいました。中部地方の方でした。
その方に「防火栓って何ですか?採水口と違うのですか?」と尋ねたところ「それは表記間違いではないか。防火栓など存在しないと思います」との答え。

今でこそわかりますが、確かに防火栓は中部以西では殆ど見ません。
その方が知らなかったのも当然です。
しかしこれら消防設備に地域差があると思っていなかった当時の私は「そうか間違いなのかなあ」と打ちひしがれるとともに、その後銀座などで防火栓表示に遭遇するたびに「???」となっていたのでした。

防火栓について詳しくはまた後日書くつもりですが、そういう意味で思い入れのあるプレートです。 

豪華なプレート枠。
そして世田谷区役所のものよりはっきりとした捻子山。



そして左側が村上製作所さまのものです。


上の写真はつい先日撮ったもの。2014年10月のものです。

下の写真は2000年に帰京記念に撮ったもの。(福岡に引っ越していたので)
ものすごく画像が荒くてお恥ずかしいのですが、こちらにはプレートの上に「MY CITY」の文字が見えます。
この頃はまだ村上様の送水口の上の蓋はちゃんとついていました。
現在では下の蓋のみ新しいものに取り替えられているようです。
そういえばCECさまの送水口の鎖もちゃんとついていました。


それはともかく、村上様の送水口です。はい、目印の捻子用の山です。


送水口は特別な場合を除き、オーナーではなく建設業者様が発注するようなので、その意図はもうわかるはずもありませんが、お互いにどう思っているのかなあなんて想像するとちょっとにやにやしてしまうのです。


では最後に、もうすぐこの世から姿を消してしまうライバル並び送水口を。

左が岸本産業さま、右が消火栓機工さま。
日比谷の交差点ビルの送水口です。
そして、いずれの会社も今はもうありません。

時のうつろいは切ないものです・・・・。