20160813

長崎オールド送水口と急傾斜暗渠の旅 その6 急傾斜暗渠編

先ず前振り。

長崎駅前からはこのような像を見ることができます。
何となく気になったので近付いてみますと、

周りの子ども達がとてもリアルに造られていたり、

台座の基礎というか屋根の部分が亀の甲羅であり、
 よく見ると頭部や手足も付いていたりと、 

国籍不明感が逆に神々しさを増していました。


ふと気づくとかなりの高台に上がってきてしまっている。

長崎の斜面は住宅地、もしくはお墓がびっしりと並べられています。
海へ向けて切り立った地形、土地利用の様子に唸るばかりです。


びっしり。 


で、ついつい高台に上がってきてしまったので、
どうせならとホテル群の高所送水口をチェックしてから、街へと戻ることに決定。

というわけで先ずは山の頂上を目指します。

このあたりの階段はあまりにも傾斜が大きいので、
縁に白いペンキが塗られています。
とても助かります。 

頂上近くまで上がってきました。
ここで生活する場合の具体的な日常が想像できません。 


高所送水口をチェックして、(結果は割愛)、下り始めてふと横を見ると、水路がありました! 
奥の方を見上げれば、橋の向こうに水の出口が。
ということはこの上は暗渠だった!?

ということではなく、
山の上の水がここに集まってきたらしく、水路としての出発点がここであるようです。 


階段と水路は交差しつつ、下へ下へと・・・・ 
階段と水路はどちらが先にできたのでしょうか。




ところどころ、道と家を繋ぐために小さな橋がかかっているのも風情があります。


あっ!
ここで何と水路に蓋が!!


暗渠好きの家族大興奮。 
しかも、これ、どちらが暗渠かというと左側なのです。つまり、






暗渠の蓋の方が本来の坂道・階段よりも上にあるのです。 

「天井暗渠・・」
呟いてドヤ顔の家族。

「何その用語」「いや、今つくった」

というわけでうきうきの家族でしたが、私はこのかなりの傾斜の道、登るときはそんなに気にならなかったのですが、下るのは一苦労です。
膝に負担は来ますし、何よりコワイです。ここで暮らすためにはかなりの体力が必要かと。


しかし、道の周りの風景も、はるか下に広がる景色も素晴らしいです。気持ちいい。

ところどころで進入禁止になっているのも暗渠感を高めています。 


それにしてもこの急傾斜。大迫力。
写真ではあまりうまく伝えられませんが・・・ 

水路消えた?
と思うと突然出てきたりするのもまた楽しい。 




コンクリブロックがこれでもか、と使われています。
透かしブロックもいろいろあったのですが、それはまた別のページにまとめる予定。 

合流地点。 

川岸をパイプが這っているのもぐっときます。 

水路を横切るコンクリ橋の絶妙なカーブ。 

そしてまた突然暗渠に。
ときどきいろいろなもの置かれて庭化しています。 

植物が生い茂る感じとコンクリブロックの上の笠木の丸みにこころ惹かれます。 

時折、豪華な壁も。 
下側はじっとりと湿っています。シダ類が元気。



まだまだ、どんどん下ります。


足を載せたら落ちそうな階段になったり 

架け橋が縦横無尽にのっかったり 

廃橋などをのせつつ
そんな風景を見ながら、水路を辿ります。






途中にこんなものが。これは何かと言いますと 

懸垂式モノレール、なのです。
それにしても最大勾配32度って凄すぎます。
これは乗りたい!

と思ったのですが、乗り場を探しているうちにゴールまで辿りついてしまうという長さ。 

長崎市内にはもう少し大きなものもあるようですが、こちらは地元の方しか乗れないようです。
短い距離ではありますが、これだけでも毎日上り下りするのは大変です。

アップでは撮影していなかったのですが(詰めが甘い)、「さくら号」はそういうわけで地元の方のためのモノレールでした。 



「そもそも、モノレールは狭い土地に設置できるのが利点。つまり敷地をあまり必要としない。世界初のモノレールも川の上に設置されたはず。その伝統をここで見ることになろうとは・・・」
と、家族が感慨深げでした。ふむふむ。


そして、モノレールを過ぎると坂道はおおよそ終わりに近づくのでした。


着地~~という感じです。



実際どこを歩いたのか、というと、この辺だとは思うのですが、さすがにこの地図や航空写真を見てもここに暗渠があるとは私には想像もつかないのでした。

勿論今回は行きあたりばったりで、家族も「水路があるとは思っていてもこんなに渋い道だったとは」と、意外そうにしつつも、「斜面における宅地開発の際に、宅地、道路以外にも排水のことを考慮する必要があるのだな、その一例だな」と満足げでした。

斜面で水路、ということは地形的にも複雑で面白いのだろうなあと思うのですが、私は「高台ホテルでの収穫あまりなかった・・・」と落ち込んでいるばかりでした。ううむううむ。




でも暗渠開渠と繰り返しながら現れる水路とともに階段を下りていくのは楽しかった。
散歩としてもとても刺激的でした。

さて、次回は(まだある)おまけの「送水口以外編」です。蓋や境界石、お寺の採水口などを紹介します。









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