20170717

アーケード商店街で送水口を見る

横浜地下鉄・弘明寺(ぐみょうじ)かんのん通り、京急・蒲田のあすと。
共通点は、アーケード商店街であるということです。


アーケード商店街では、雨にぬれずにお買い物ができますが、
その屋根のため、商店街に接する建物の二階以上が火災に遭った場合は消火しにくくなるという欠点があります。
それを補うため、一定の長さを超えるアーケード商店街では放水口を屋根の上に設置しています。そこに水を送るため、私たちの目に触れる高さのところに送水口があります。
一般的な送水口とは異なり、建物に付随するものではありません。
アーケード商店街天井という「線」をカバーするためのものです。
従って、その線に消防車が接近できる場所、つまりアーケードの「入口(出口)」、および「他の道路と交差する場所」に送水口が設置されます。

条令ごとに差異はあるものの、おおよそ50m以下ごとに放水口(消火栓)(屋根の上)とそこに接続するための送水口(屋根の下)、そして放水口へと消防隊員が登るための梯子などを設置するよう定められています。


この看板を出しているところはあまり見ませんが、弘明寺かんのん通りではこのように系統図が掲げられています。素晴らしい~


というわけで、まずは弘明寺。


アーケードは、その基礎を建物に支えさせてはならないと決まっているようです。従って、その柱に送水管を添える、あるいは一体化させている例が多く見られます。
形状としては、カバー付きの配管に穴を開けるというシンプルなものから、柱と一体化したものでは非常に華美なものまで様々です。かんのん通りのこちらはシンプルな例ですね。



美しい青アクリル蓋の自立型転用送水口。
管の先にぴよっと出ているものは排水弁(ドレン)です。
蓋については、ほとんどのものが割れていて可哀想でしたが、


覗いてみたら、立売堀製作所様の製品ということがわかりました。

そしてこちらが放水口に登るための梯子です。通常はいたずらされないように、一般の人々は登れないような高さになっています。


次は京急蒲田「あすと」。










弘明寺の例とは異なり、こちらは柱と一体型でした。

この中には、弘明寺のものと同じような構造の送水口が入っているわけです。
見たいですね。




こんなふうに、周りにいろいろなものが置かれたり、巻きつけられたりしてしまうことが多いのはアーケード送水口の宿命なのかも・・・。





ここの梯子がこちら。
場所によって、送水口の形状が異なっていました。が、柱内部に埋め込んでしまうというスタイルは一緒のようです。黄色い。





こちらは困っている感じの子です。ばってん。


と、こんなふうにお買い物以外に送水口も楽しめるアーケード商店街ですが、だんだんと劣化したり、日中暗くなってしまう、天井の掃除が大変・・・などの理由で、特に「全蓋式」とよばれる道全体を覆うタイプのものは、撤去してしまう計画がある地域も増えているようです。かなしい。
ということで、みなさまも是非はやめにアーケード探索を!そして、送水口を探してみてください。


2 件のコメント:

  1. 商店街の送水口は楽しいです。どこに行っても分かりやすい!!

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  2. しかも商店街ごとに個性があって楽しめますよねえ♪

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