関東某所。
村上壁埋設、蓋と鎖は既に純正品ではありません。
いえ、はじめから付いていなかったのかもしれません。(プラキャップ仕様で)
鎖留は飾り板の下(壁)。
これを、村上製作所(送水口博物館館長)が修理します。
パッキンを交換するのです。
実はこの二週間前、交換をするために接続口の中に道具を入れて
回転させて弁体ごと引き出そうとした結果
その取っ掛かりとなるダボが折れてしまいました。
村上送水口は接続口から逆止弁までが一体となっており、
「それらが年数を経て固着してしまったよう」だそうです。
そんなわけで、一度現場から引きあげ
再度、改修の匠お二人を引き連れて再挑戦に挑んだ館長。
今後、数十年だって、いえもっと活躍してもらうために
パッキンだけでなく、
接続口と弁体がセットになっている部品をまるっと交換することになったそうです。
蓋を外した送水口と対峙する匠
硝子が割れないように防炎シートでガード
今回、匠が準備した道具の一つ。
(いろいろ、本当にいろいろありました。大興奮)
これを、こうして、こう
ぐりぐり
動きません。
仕方がないのでバーナーであぶって
接続口周りの缶ぽっくり部分を撤去。
熱いので冷やされる缶ぽっくり。
生け簀…(可愛い)
ようやく接続口部分が露出しました。
差込式なので回転に使える出っ張りが少ない。
回すのが大変です。
救出作業の時には恒例となったこの道具。この光景。
それでも接続口は回りません。
匠はトンカチを持ってきました。
(「大きなかぶ」ふう)
炎天下。
暑いのに
バーナーで焙られた送水口。
「いや、こっちも熱いんだよねえ」とも言わず
じっと次の作業を待ちます。
改修部隊は水分補給。
探索で何回死にそうになったことか。
接続口周りが焙られて変色しています。
ちょっと切ない
戦闘再開。
接続口の一部を切り取り、
固着部分がはがれるようにスペースを作ってあげてから回す作戦。
そうとう時間がかかっています。
が
功を奏したようで、接続口に動きが!
接続口と
接続口で抑えられていた飾り板が外れました。
お疲れさまでした。
とはいえまだ工程の半分。
ぽっかり
ここに新しい接続口をはめ込む作業が残っています。
匠はその作業に移ります。
一方、館長は飾り板の磨き作業へ。
先ずはまんべんなくピカールを塗布。
緑青が浮き上がってきたら
えいやえいやと擦ります。
…という作業を何回も繰り返し
ようやく文字部分が光ってきました。
嬉しい!
飾り板が積年の汚れを落としている間に
接続口部分が設置されました。
すごい!
飾り板を置いてからこの作業(接続口と弁体をすぽんと入れる)
をするのかと思っていたら違うのですね。
ふむふむ
おっとここで飾り板に動きが
えっ
穴を
開ける?
ある時期(昭和40年代前後)の村上送水口の一部には
鎖留が無いものがあります。
よって、取り付けるために!穴を!開けるんだって!!
と驚いている間に取り付けられている鎖留。
早業過ぎる。
接続口+弁体
↓
飾り板
↓
接続口キャップ
↓
蓋
↓
鎖を鎖留に
完成!
キャップもきらきら
文字もきらきら
実はこの匠
送水口ファンの間では有名な改修事例
「銀座の中島商事ビル」の方だったのです!なるほど!
(ほらほら、あの『ねじ式が差込式に替わっていたにも関わらず、あまりの技術でその外観がほとんど変わらずにしばらく気付かれなかった事件』ですよ)
これで次の日から建物で働く方や
利用する方が
「おっ、綺麗になったねえ」
と喜んでくれるはず。そうだといいなあ。
おまけ
磨き作業の下敷きになっていたタオルと
そのタオルに転写(?)された送水口。
お疲れさまでした!
そして
取材させて頂いて本当にありがとうございました。
この作業の動画(あまり上手くない…)は、送水口博物館で観ることができます。
ご要望がある場合はソーハクにてお声かけください。
0 件のコメント:
コメントを投稿