20130729

送水口を楽しむ(1):たたき台として


 送水口を見たり探したりするのが好きだ、と公言するようになり、すでに十数年が経過してしまいました。しかし、どうして自分が送水口に惹かれるのか、またはどのような観点から送水口を見て楽しんでいるのか、ということは曖昧なままでした。
 そこで、すぐにはできませんが、思いついたときに自分を振り返って送水口の楽しみ方を少し分析してみようかと思ったしだいです。
 とりあえずは下のようにざっと思いつくままにあげてみました。
 ここにあげた項目からすると、若い頃は右側に比重があったのですが、あまりにも多くの物件とであっているうちに何となく頭の中で傾向のようなものができてきて、左側に傾いてきているというような気が致します。
 
 もちろんこれは未完成であり、他にもいろいろな楽しみ方をしている方がいると思うのですが(いたらいいです)それらも含めつつ、世間様にも納得できるものにしていけばいいなあと思っています。
尚、こういったものをつくっておこう!と思ったのは「東京Peeling!」の中で暗渠ハンター様が暗渠の楽しみ方や見方・考え方というものを図式化していらっしゃったからです。
もちろんそちらはものすごく分析的でものすごく深いものですので、ここにお名前を出させていただくのは申し訳ないくらいなのですが、とても尊敬しているサイトさまなのでお許し下さい。
http://lotus62.cocolog-nifty.com/


というわけで一応たたき台として。
ご意見ご指導などありましたらお寄せ頂けると幸いです。



20130715

ゲリラ豪雨と赤い送水口

ついに!外国の送水口の撮影に成功しました。

これです。




全体像はこれです。


左下に丸いプレート付きの送水口。双口です。
ポンプ部分が存在感を醸し出しています。







撮影場所ですか?
いやその・・










それが



銀座なのです。





正直に言います。
銀座駅の地下通路で撮りました。
こんな感じでした。

散水栓にちょうど繋がっているように貼ってある壁紙。
いわゆる「だまし絵」です。
この通路付近には、味気ない地下鉄通路の「風景」になるよう、外国風の町並みなどの写真が貼られているのです。

他の絵は、例えば
庭の写真とか
木々の様子とか

その中でこの写真だけはかなり異質でして、衝撃を受けるとともに、何となく照れくさくなってしまったのでした。理由は不明ですが。

そして、壁紙の送水口を写真に撮るというもう誰にも説明できない行動を取ってしまったというわけです。




因みにどうしてこの壁紙に気付いたかというと、今はやり(?)のゲリラ豪雨に遭遇し、ここに逃げ込んできたからなのでした。



ちなみにこれら地下道の作品達にはこのサインがついていました。
日本の方なのかどうなのか。
もしご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。








20130707

羅漢寺川暗渠をたずねて


と題してみましたがブログ違いではありません。
羅漢寺川暗渠へ送水口を見に行ってきたということです。





ことのはじめは敬愛する暗渠探索家、以前にも船橋の時にご紹介したnamaさんがツイッタにあげた写真でした。
何らかの文化遺産の説明板に送水口。
見れば集合送水口です。
位置図と番号があるのでスプリンクラー用だとわかります。
また、位置図から低層階で多少入り組んだ構造の建物であることもわかります。
マンションなど住居用ではどの階もほとんど同じ部屋の配置であることからこのような表示はあまりありません。また、高層階でないと送水口はいりません。しかもこんなにたくさんの送水口は低層階ではありえない。
さらには大きな駐車場があるようです。
しかしアップしてある写真からだけでは詳しい状況がよくわかりません。
見ていたら、うしろからジョージくん(家族)の声が。「これ知ってるよ」とのこと。
しかし詳細は教えてくれません。
「行けば納得するから」



そういうわけで、出発です。



ちょうど夏の旅行の手配をするつもりだったので目黒駅へ向かいます。
とっとと飛行機とホテルを決め、いざお散歩へ。

途中でみつけた鎖が多すぎる送水口。二点しんにゅう。



頭部回転式採水口。ここではむしろ回転しない方が・・・。


これは美しい、頭部が突き出した形の採水口。正面から見ると異形ですが。


防火水槽。英訳はFIRE CISTERN 。
(このごろインスタグラムで外国の方からスペルミスを直して頂くという痛恨のできごとが続いたので今一度確かめつつ。)
  

 ふと見るといかにもな昭和のマンション。
これは!と近付くとやはりやはり!!!!
「今日の逸品」に遭遇です。


この形のプレート、大きめの送水口の文字。
丸みを帯びた書体ではありますが、二点しんにゅう。
鎖をプレート外、上部にとめているのはあまり見ないのでちょっと興奮です。



これで満足してしまいそうになりますが、今回の目的はまだ達成されていません。



さらに進むと、と言いつつあまり進んでいませんが、三点しんにゅうの送水口。


この日は梅雨明け宣言も出て(多分)、空も夏の感じです。そしてすでに暑いです。


やっと!
到着いたしました。天恩山五百羅漢寺の入口。そして羅漢寺川暗渠。
ジョージくんは前にひとりで何回も訪れていたとのこと。
すたすたと進んでいきます。うむむ・・。


なんだか大きな建物が!
あっ!あの説明板、そして集合プレートです!!


どこかというと、ココです。


まさに、なるほど!という外観ではありませんか。

五百羅漢寺については以下のHPをご覧になっていただくとして、送水口です。


ホームページを見ていただくとわかりますが、この建物の内部に聖宝殿、法堂といった展示場、ホールがあります。
だからこその、このスプリンクラーだったわけです。

上の写真からすると、説明板と組み合わせて設置してある理由は単に見栄えとか敷地上の節約の問題かと思われます。



面白いのは先ずプレート右上の採水口。
すでにこれは使用不可のようです。(背後に現行のものがありました。後述。)
それはともかくネットキャップでふさいである。初めて見ました。
鎖を繋ぐはずであった金具が残っているのが切なさを醸し出しています↓



プレートは上下二枚組で(これも面白いのですが)、メーカーマークがそれぞれの右下についている。
推測ですが、もともと奥の方に、(現在使用している採水口のところあたり)少し離して(もしかしたら位置図を中央にして)設置する予定だったのではないでしょうか。横に二つ。
それが、何らかの理由で、例えば微妙に入らなかったとか、説明板をつくるのならそっちに統一してしまおうとか・・・・で、こちらに上下に組み合わせて設置するに至ったと。
などと想像を膨らませましたが、単にこういう仕様かもしれません。すみません。

さて。個人的にはこの鉄錆っぽい汚れ方がたまりません。





そして何と言ってもこの位置図が興味深い。と言っては不謹慎ですが。
「仏壇室」。設置者の方も身が引き締まる思いだったことでしょう。
「上ル」表記が何だか京都の住所みたいでさすがお寺、・・・・・というのは短絡的ですね。


この位置図にはちゃんと送水口の場所も、当たり前ですが示してあります。
4という番号がふられているのはこのお寺所有の敷地(他にも関連の施設が併設してあるので)内にある他の送水口が1~3である可能性を示している、はずですが今回は夕方になって蚊にものすごい勢いで襲撃されているのでそちらはいつかまた・・・。


ところでいつも思うのですが、この送水口のマークは可愛いです。
別に設置者が勝手にデザインしたのではなく、系統図にはこの記号を使うことになっています。
ちなみに送水口はこのように半円ですが、放水口は円になっています。

しかし、B1Fの4番だけ図が欠けているのはどうしたことでしょうか。
一つだけキャップが外れているのかと思いましたが勿論そんなはずはなく、単に書き忘れか誰かがイタズラで削ってしまったのでしょう。


こちらは、先ほど触れた背後にある採水口。


採水口自体はともかく、二つの達筆な看板の下の採水口表示板。もともとの字が薄れてきたのか白ペンキで手書きの「採水口」の文字がぷるぷる震えています・・・看板を書いた人が何とかしてくれなかったのでしょうか。



もっと見ていたかったのですが、どんどん蚊が寄ってくるので退散です。
ジョージくんはどんどん細い道を歩いていってしまいます。

空気がとても湿っぽい感じです。右側のブロック塀は暗渠サインでしょうか?
(間違っていたら恥ずかしいので特に質問しない)


暗渠沿いには公園!とジョージくん。
たしかに桃園川のときもnamaさんがお話していらっしゃいました。

この公園、目をひくのは先ず明らかに低すぎる椅子。
(小さいコドモがこの上に立てばちょうどいいということでしょうか←危険)


最近の砂場はブルーシートで覆われたり、柵で囲われたりとネコによる汚染を防ぐために近付き難くなっていますがこれはもうすっかり蓋をされています。
川も砂も。
これは暗渠ならぬ、・・・・・何と言うのでしょうか。
暗砂?


で、公園と言えば防火用水。
・・・があれば、採水口かマンホールがあります。
なのでお散歩中に公園があると必ず立ち寄ります。
ここの防火水槽は5立方㍍とちょっぴりですが(失礼)区章つきの立派な蓋が。



不思議な空間と細い道。車止めとマンホール。高低差。
暗渠好きのジョージくんがいろいろ説明してくれていますが細かいところはよくわからない私。
でも、こういう道をお散歩するのは送水口探索とはまた違って楽しいものです。
付近に送水口を見つけることが少ないので安心(?)して歩けますし。

なお、途中でジョージくんが興奮していたのは水量計?ポンプ?・・・の表示。
「羅漢寺川って書いてある!」と独り言を言いつつ写真を撮っていました。

因みに↓・・・・コーンの前の△の「とまれ」とマンホールの前の○の「とまれ」。
いや別に何ということもないのですが、ふと気付いたので・・・




お腹が空いたのでどんどん歩きます。
途中にあった新しいロシア正教会の建物。
以前見かけた巣鴨のロシア正教会はとても古く、趣ある風情の建物でした。しかし老朽化が進んで移転するかもしれないという説明書きが貼ってありました。
・・・・もしかしてこれが移転先なのでしょうか。あそこは取り壊されてしまったのでしょうか・・・・・・。


すっかり暗くなりました。
ステンレス送水口が多いこのエリアでは珍しく古風な赤キャップを発見。
頭部扁平で武骨なこの送水口。昭和五十年前後のものでしょうか。


馬の像。
?と思っていたら目黒競馬場跡とのこと。
ここにそんなものがあったとは信じがたいのですが、ジョージくんによれば「痕跡を示す道路が残っている」そうな。
グーグルマップで見ると確かにコース状のカーブを描く道路がわかります。
目黒は深いです・・・・・。


これも素敵なザ・昭和なマンションの送水口。
マンションの壁面はひとつひとつの意匠が素晴らしいです。そしてここに送水口を置くというスマートさ。



途中バスに乗って都立大学へ。


お店を探しながら歩くと呑川暗渠がありました。
緑道、自転車置き場。
だんだん暗渠サインがわかってきたような気がします(*^_^*)。



蚊に刺されたところもすっかり治ったので気持ちよくお酒を飲んで帰りました。
namaさんのおかげで楽しいお散歩になりました。
ありがとうございます!!