旅行三日目の午後。
静岡駅に到着です。静岡と言えば久能山東照宮とか家康とか東海大付属水族館とか三保の松原とか富士山だそうですが、今回のおめあては違います。
県庁です!
登録有形文化財でもあります。
納得の重厚さと味わい深い美しさ。
神奈川県庁と同じく帝冠様式のこの建物。
しかし神奈川県庁にはない価値があるのです。
それが、
「単口送水口がある!!!!!!」
ということです。
ツイッターでキムチさん(@ki_mu_chi)に情報を頂いてから、気になってしかたなかったのです。
ストビューでは「これがそうかな??」という影のようなものがうつっているばかり。
それがようやくの対面です。ううむ、緊張して仕方がありません。
いやそれ以前に本当にここに単口があるのか。
もしあるとすればこれまで見た中でもっとも豪勢な建物についている単口になります。どきどき。
正面玄関から左手にまわると・・・・・
ああっ!!!
ありました!!
単口につけるにしては何と巨大なプレート、そして豊かな丸みを帯びた本体部分。
この鎖留の仕事の丁寧さ。遊びも含めてきちんと造ってあるので全く壊れていません。
そして鎖自体も他では見ないお洒落なデザインです。
残念ながらロゴマークはありませんが、文化財としても十分通用する美しさと伝統があると思われます。
プレートから接続口までがかなり長いです。ねじ式です。
パーツの多さが気になります。ねじのあるパーツの間にある厚手の部品。何の役目を果たすのでしょうか。しっかりと残されている爪。
そして特記すべきは「STAND PIPE」表記であるということ。
日本では数少ない事例です。
今はなき日比谷公会堂と菊栄ビル、そして大阪の須賀工業、日本機械工業さまの送水口に続く物件です。が、ノーロゴの単口としては初めてではないでしょうか。
因みに県庁舎は床面積・階数、用途から言ってスプリンクラーや連結送水管設置の義務はありません。それなのにこの重厚な送水口。きっとこれだけではないはず、と思って裏手に回ります。
ハイありました!!
・・・って、白い・・・。というか銀色にペイントされています。
なんだかアロワナみたいな風情になっています。
勿論もう点検も入っていないのでしょう。
現役かどうか、というとそれは「使ってみなければわからない」としか言いようがありません。
何せ設置義務がないということは点検義務もないということです。
それにしても建物が建てられたのが昭和12年。
もしこのときにこの送水口も設置されたのであれば、現在残っている送水口としてはベスト10には余裕で入るかと予想します。
送水口の開発史から考えると無理のない話でもないと思います。
詳しくは別に述べますが、戦前の建物にこのような英語表記の送水口がついていたとしてもおかしくないのです。
こちらは鎖留が外されています。
なので鎖は垂れ下がったまま。
前述の送水口と同型でしょう。
にしてもどうしてこちらだけペイントしてしまったのか・・・よかれと思ってしたことかもしれませんが切ない結果です。
静岡市内も歩き回りましたが、送水口としてはアクリル蓋勢力が殆どでした。
東京では殆ど見ないので珍しいのですが、名古屋と松坂でいっぱい見ていたので・・・写真はたくさん撮ったのですが特に・・その、今回はいいかな、と。
そのかわり、地上の可愛い物件たちをご紹介。
卓球のラケット的ガス蓋。箱庭付き。
止水栓。字の上が富士山、というのは考えすぎでしょうか。
たちあおいのカラーマンホール。
中央は静岡市章。
消火栓の蓋。
JIS蓋の真ん中つるつる、放射状ではない縁石つき。
靴洗栓、と右側は何でしょう・・・。
上は消火栓の蓋。下は量水器の蓋。
カラーバージョンと白黒バージョンかと思っていたら少し違うようです。
桃のようなマークについては、駅からマンホールさん(@EkikaraManhole)のページをご参照ください。 http://ekikaramanhole.whitebeach.org/?p=100
仕切弁。
ご本人様はこちら。
県庁にあった謎のマーク。
最後にこちら。
街なかに貼ってあったポスター。
駐輪よりも人に放水する方がずっと危険だと思いましたが怖くて言えません。
そして「消防署専用」ではなく「消防隊専用」ではないかとも思いますがこちらも怖くて言えません。
年末の楽しい三日間の旅の終わりがこの画像でよいのかと少し不安ではありますが、これで名古屋松阪静岡編を終わります!
ご覧いただきありがとうございました!!
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