同僚とバスで移動中、車窓から見えたのは古き良きニオイのするY字送水口。
ちらっと眼に入っただけだったのですが、もう気になって仕方ありません。
とはいえ隣の同僚とは仕事の話を続けていかねばなりません。
地名を確かめねばと焦りつつできないまま、時間が過ぎていきました。(3日も)
というわけで確認に行きました。
バスの終点であるT駅からてくてく歩いてバスルートを逆に辿ります。
てくてく。
でもそれらしき送水口は全く見当たりません。
まさか送水口が気になるあまりに見えてしまった幻だったのか。
存在しない送水口が見える病気なのか。
などと不安になりつつひたすら歩いていくこと30分あまり。
高いビルもありません。
もうだめか、と思ったときにふと気づいたことが。
「高所送水口」か!!!??
高所送水口。
高層ビルの送水口
というわけではありません。
通常路上、すなわち建物1階にあるべき送水口が建物の中層階、あるいは最上階付近に設置されていることがあります。
つまり、送水口にとっての高所。
どういうことかと言いますと、
その建物が崖っぷちに建っていて、玄関が上の方にある場合。そしてそちらの方が消防車が接近するのに容易な場合。1階には送水口を設置せず、玄関の方に設置する。
そのときに高所送水口が生まれるということなのです。
高所送水口の中で先ず取り上げるとすれば昨年紹介したこれ。
なんと17階部分にあります。
熱海のホテルニューアカオのものです。この建物の1階部分は崖の下です。
採水口と送水口の並び方、朽ちつつあるアクリル、緑青の風格、細めのプレート、採水口の爪、どれをとっても逸品です。それが高所送水口となっているのです。もう熱海国の国宝です。
話を戻しますと、見た目は3~4階建てのマンションであっても、道路の下にも建物が続いている物件がある場合は階数によっては送水口がついているはずなのです。(傾向その1)
というわけで、崖の下部分の階数を考えて見えている部分の階数を足し、7以上であれば、送水口を探さねばならない。(その1への対策) (因みにどう考えても7階以上なのに送水口が無い場合は、崖あるいは坂の下の1階部分に何事もないように設置されているはずです。)
それかもしれぬ、気を付けねば。そして数歩進むと・・・・・・・あった!
あ り ま し た ー ! !
高所送水口の存在に思い当たった直後の発見。
よかった・・・病気じゃなかった・・・・。
車窓から見えた、まさにその送水口でした。
やった!!!!!!
近づいてみましょう。
うう、すばらしい。
警察もしくは斜め島津ロゴ。
鎖留も兼ねているロゴが立体的な物はレアです。
そして美しい。そして欲しい。鎖も根元だけ細いもので、とても繊細な造りです。
プレートが正円で枠の部分が細いのが古さを感じさせます。昭和50年代前半か。
(と思って後で調べたら昭和58年築だったのではずれでした。悔しい)
反射してしまいましたが文字部は囲んであり、明朝体。
同じ露出Yでも中央に丸い部分が殆どなく、ほぼ120度ずつに分かれているものは古い感じがします。昭和40年代後半から50年代中期ごろ、というイメージ。(経験則)
アトムのおしりのような中央に巨大な球部がついている露出Yになると(材質にもよりますが)ずっと古くなります。反対に上から見てほぼ三角形のような、まるで幼虫のような露出Yは新しい雰囲気(昭和60年代~平成)。球部が小さいものは古いものも新しいものもあります。これは材質と細かいデザインの雰囲気から特定。
おっと露出Yの新旧について語ってしまいましたがこれらは全て経験からくる感覚によるもので、いずれきちんとまとめてみようと思っています。
さて。
ここには棟が二つあり、もう一つは文字部がはっきり見えました。
ごつい接続部と鎖留の錆がついてしまった差込式の薄い蓋。
ヘッド部分はものすごくレアであるということはないですけれど、好きなタイプの送水口です。
で、こちらも経験則なのですが、こういう高所送水口のある(古めの)マンションというのは、
放水口が「露出」している可能性が高い!!!!!!(傾向その2)
のです。
しかも放水口の設置基準としては既定の建物で3階以上となっているので、すぐそこに送水口があるのにも関わらず、入口近くに放水口が設置されていることがよくあります。
つまり、
すぐ撮れる。
というわけで失礼いたします。
その場合決して階段より中には侵入しない。(その2への対策)
送水口の“真裏”にこの階用の放水口。(絶対使われない・・・と思う・・・)
こんなふうに蓋を留めるとは斬新。
数字は口径でしょうか。
こちらも同じロゴ。ですが傾いて付けたのか島津になってます。
もう一つの棟のものは蓋が新しくなっていました。
「古いマンションでは放水口を箱に入れないことが多々ある」のはなぜかについての理由はわかりません。嬉しいので私はよいのですが、お子様や悪い方々にいたずらされないか不安です。
もやもやが一つ晴れました。
病気じゃなくてよかったです。
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