20141104

隣り合うライバル

百貨店にホテルに銀行・・・古き良き送水口を求めて彷徨う私ですが、この頃目を付けているのがお役所です。
県庁舎、市区町村庁舎。

先日は世田谷区役所に行ってまいりました。

区役所の隣、区民会館にこんな送水口が。


あれれ?何かヘン・・・・・・・


ん?





右側は、
 頭がまあるいCEC、建設工業社さまの製品です。

ホース固定部のねじねじもこの通り。ザ・CEC。

下の方の捻子スペースが鎖留に使われているのはとても、とてもとても、心から、本・・・っ気で残念なのですが、とにかく建設工業社さまのものであることは間違いありません。









一方左の送水口。このように頭部に平坦な部分をもち、(そのせいで時々お供えされてしまうのですが)ホース固定部に小さな捻子用の膨らみがあります。とすれば勿論これは、
村上製作所さまの送水口です。



捻子はありませんでしたが・・・。

そして鎖も純正品ではありませんでしたが。


とにかく、この日本の送水口史をつくった二大企業の送水口が肩を並べているという事実。
何という豪華さ。何というむず痒さ。
村上製作所の村上さんによれば、スプリンクラー設備と連結送水管設備で分けたのではないかということですが、本当に贅沢な光景です。さすが世田谷区。






こういう光景、どこかで・・・と思ったら新宿でした。

旧マイシティ、現ルミネエスト用の送水口です。
こちら側がCECさま、そして向こう側が村上製作所さまのものです。

実は私が初めて「防火栓」に出会ったのはここでした。
まだ2000年になる前、旧サイトを運営しているときです。ときどきBBS(!)に書き込んでくださる方の中に消防士さんがいらっしゃいました。中部地方の方でした。
その方に「防火栓って何ですか?採水口と違うのですか?」と尋ねたところ「それは表記間違いではないか。防火栓など存在しないと思います」との答え。

今でこそわかりますが、確かに防火栓は中部以西では殆ど見ません。
その方が知らなかったのも当然です。
しかしこれら消防設備に地域差があると思っていなかった当時の私は「そうか間違いなのかなあ」と打ちひしがれるとともに、その後銀座などで防火栓表示に遭遇するたびに「???」となっていたのでした。

防火栓について詳しくはまた後日書くつもりですが、そういう意味で思い入れのあるプレートです。 

豪華なプレート枠。
そして世田谷区役所のものよりはっきりとした捻子山。



そして左側が村上製作所さまのものです。


上の写真はつい先日撮ったもの。2014年10月のものです。

下の写真は2000年に帰京記念に撮ったもの。(福岡に引っ越していたので)
ものすごく画像が荒くてお恥ずかしいのですが、こちらにはプレートの上に「MY CITY」の文字が見えます。
この頃はまだ村上様の送水口の上の蓋はちゃんとついていました。
現在では下の蓋のみ新しいものに取り替えられているようです。
そういえばCECさまの送水口の鎖もちゃんとついていました。


それはともかく、村上様の送水口です。はい、目印の捻子用の山です。


送水口は特別な場合を除き、オーナーではなく建設業者様が発注するようなので、その意図はもうわかるはずもありませんが、お互いにどう思っているのかなあなんて想像するとちょっとにやにやしてしまうのです。


では最後に、もうすぐこの世から姿を消してしまうライバル並び送水口を。

左が岸本産業さま、右が消火栓機工さま。
日比谷の交差点ビルの送水口です。
そして、いずれの会社も今はもうありません。

時のうつろいは切ないものです・・・・。



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