大阪某市のアーケード商店街で、こんな送水口に出会いました。
長く突き出た赤アクリル蓋付き送水口………
の途中から直角にもう一つ接続口が出ています。
送水口の下に排水管。
大阪名物?「放水口使っちゃってるドレン」です。
何とも豪勢。
横井さまのマークも見えます。
赤アクリルとぽっちゃりドレンの組み合わせが、何ともいぎょかわいい(異形+可愛い)。
と、ここで、
「下の方に何か付いてるぞ」と
近寄って見ましょう
えっ、今なぜ圧力計測中???
…ってそんなはず
くっつけたまま放置され、検査の方が忘れていってしまったのか
と、うんうん唸っておりましたら、近くのお店の方に「何やってるの?」と話しかけられました。
こちらの事情を説明したら、いろいろとお話を伺うことができました。
「むかしこの商店街が火事に遭ってね」
「その時にこれ使おうと思ったんだけど、
なかなか水が出なくて」
えっ
「結局役に立たなかったんだよね」
そうなんですか
「これ、管の中に水が入っていないんだよ」
乾式ですよね、アーケードは、だいたい…
「だから先ずそれを充填するのに」
…
「時間がかかっちゃって」
そうでしたか
「そこで、こんなの付けられたんだよね」
あっ、計器のことですね
「あと、ちゃんと検査するようにって」
「でもどうせ役に立たないんだよね」
「こんなのあっても、いざっていう時にはダメだし、誰も検査しないし」
「責任者が変わったらみんな忘れちゃうし」
アーケード商店街の送水口は、街中の送水口と違って、公共性が高いのでしょう。それはしかし、「誰かがやってくれる」という意識にも繋がりがちで、ともすれば「何か知らない物があるけど、まあいいや」になってしまいます。
乾式送水口については、水を充填する時間より、放水口でのエアの方が大変だということをある筋から聞いたこともありましたが、やはり個々の事例で、一人ひとりの消防士さんの受け取り方で、…違ってくるのかもしれません。
それはともかく、送水口が無用の長物になってしまっているとしたら、何とも悲しく、そして、その価値を伝えられなかった自分の無力さを感じた一件でした。
この商店街の送水口は、どれも接続口が使いやすいようにエルボがついていたりして、凄いなあと思っていたのですが、
…聞いてみないと分からないこともあるのですね。
降りだした雨の中をとぼとぼと旅を続けた、春の日のことでした。
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