20131127

蓋の中

本日の記事を書く前に・・・

大阪のこと
林氏のこと
神田のこと
アメ横のこと

いろいろいろいろ書きたいことがあって
どれから手をつければよいかわからなくなっている今日この頃です。

が、
取り急ぎのものを一つ。

「送水口の中」です。
もう少し詳しく言うと、「蓋を取り除いたところ」
です。

実は!
いろいろございまして、送水口の六分の一モデルを作って頂いたのです。

http://ameblo.jp/babysue888/

↑このブログを作成していらっしゃる方です。金谷さんとおっしゃいます。



すごい、凄すぎます。
これが掌にさえ乗るものだなんて、信じられません。

さて、その金谷さんがさらに蓋が落ちたときの送水口を作りたいとおっしゃっていたので
今回資料的に写真を集めてみたというわけです。

ではさっそくいきます。





















今回見てみたら予想外に蓋中の写真が多く驚きました。
そういうわけでいろいろなタイプの蓋中を集めてみた次第です。

最後二つは蓋落ちの写真ですが、必要なら蓋落ちシリーズもいきます。


では、ひきつづきミニチュア送水口のさらなる発展を願って・・・。







20131111

大阪神戸、2013秋の陣。麗しき、謎のアクリル蓋編。

大阪神戸編その6です。そろそろ終わりが見えてきました。(たぶん)

薬屋さん関係のビルが集まっている地域を出て繊維関係のビルが集まっている地域に突入。

今回は、アクリルのまち大阪という名に恥じない麗しきアクリル蓋を紹介いたします。


まずは日本綿業倶楽部。



よっち~さんから写真を送って頂いて、夢にまで見た送水口(の一つ)です。
もう考えるだけでどきどきした物件。


上の二つは送水口、下の二つは採水口でしょうが、前述のとおり大阪ではなぜか放水口と書いてある物件が多々あり私を悩ませます。
しかしそんなこと今回はどうでもいいのです。
このぺったんこの縁。小さいビス穴(?)


とりあえず正面からどうぞ。 


せっかくなので一部を拡大してお届け致します。


うつくしい。

建物の沿革とこの送水口の雰囲気からすると、昭和37年の新館増築時に一緒にこれを設置したのではないかと思われます。
須賀工業株式会社さまのロゴも、文字表示もシンプルで、設置時にはなんてハイカラなんだという評判が立ったに違いない。
写真を何度見返しても溜息が出る逸品です。


さて、そしてマンホールナイトの発表の目玉にしようともっていった物件を次にご紹介します。
(あまり目玉だと感じていただけなかったのは今は置いといて)

なんと!!!!
アクリルに文字入り!!!!!

さすが大阪。
さすがアクリルのまち。
やることが想像を超えています。
そんなアクリル見たことないです。

ではそのアクリルいってみましょう。場所は輸出繊維會館。




・・・・・・・・・東洋テック・・・・!!!

と憤慨していても仕方ないので家族に(遠巻きに)見守ってもらいつつ撮影開始。

先ずは全体像を。


透明不透明、しかも紅白。
さらに緑青の滴り具合も絶妙です。
上方の標識がはみ出たりちょっと歪んだりしてやる気が感じられないのも理解できます。
だって。
アクリルに書いてあるのですから!

では一つずつ見ていきましょう。

①②③④
⑤⑥⑦⑧

と番号をふってみました。

まずは上段の左→右。4ついきます。

①SIAMESE CONNECTION 


②文字表記なし。在庫がなくこれになったのでしょう。残念無念。
 しかしこれはこれで美しい。


③白不透明アクリル。これも文字表記なし。


④透明アクリル。WALL HYDLANT



続いて下段左→右。

⑤SIAMESE CONNECTION
透明アクリル、だったであろう雰囲気です。

⑥これもSIAMESE CONNECTION


⑦そしてここに来て突然裏返し。
 CONTROL VALVE(開閉弁のことでしょう)


⑧そして最後がまたSIAMESE CONNECTION


ん??


で、どれがどれなんだ??

プレート自体にはなんの手がかりもありません。
標識はどこまでを指しているのかわかりません。
アクリル割板に書いてあるといっても、たとえばコントロールバルブの中が開閉弁っぽくないようにどうも適当に付けている感なきにしもあらずです。

もっと中をよく覗いてみたかったのですが、さすがに上のような状況だったため、あまり時間をかけると不審者度がますます上がります。

アクリルに書いてある文字をそのまま信じるとものすごくおかしな構成になるので、
左上下が送水口、中央4つが採水口、右上下が送水口・・・という感じなのでしょうか。

一個ずつあけてみたい・・・
そしてこの平面的な美しい蓋枠。
これも先ほどと同じ須賀工業さまのもの。



・・・なんだかモヤモヤしたので、最後にすっきりしたアクリルを幾つか紹介して終わりにします。




小泉株式会社さまのビルにあった送水口。




これも東京でいう採水口を放水口としている例と思われます。
右上の蓋から見える四角い金属。これが開閉弁です。
ですから先ほどのコントロールバルブの中はちょっと違う・・と思われるわけです。


そして初めてみるロゴマーク。
なんとなくペンギン度を高めてしまっていると思うのは私だけでしょうか。








新しいプレートもありました。

陽に焼け方の違いでしょうか。アクリルの劣化度の差で色の抜け具合がさまざまになっていて美しい物件です。
オレンジパラダイス。



上はスプリンクラー用のもの。
下は連結送水管用のもの。こちらは色が抜けて黄色になったのか、白が焼けて黄ばんできたのかよくわかりませんが、二色で可愛いことは確かです。



さて、大阪神戸編もあとわずかとなりました。
次は今一度、「あの会社」の送水口が登場します!!

これもまた西遊記。林丈二氏から頂いた送水口写真をご紹介いたします。

さて、去る11月2日土曜日。
「マンホールナイト」なるイベントが行われまして
そこで恐れ多くも異文化交流コーナーにて送水口のことを紹介させていただきました。

そうしたらですね

そのイベントにいらしていたあの!林丈二氏が
「送水口なら自分も撮っていたから」
と、写真をくださったのでした。
いやはや、マンホール蓋の方々が何を撮ってもすでに林氏が撮っているということで「まるで西遊記」と仰っていたのですが、送水口についても然りです。

その写真ですが、「いかようにも」使ってよいとのことだったので早速アップさせていただきます。

林丈二氏といえば路上観察学会の中でもその綿密な調査と分析、そしてこだわりで群を抜く方。
しかもその写真や絵の美しさといったら・・

こんなことを言うのはとてもおこがましいのですが、
記録としてしか送水口写真を撮っていなかったわたしが、
風景を入れたり、ちょっと斜めから撮ったりするようになったのは林氏の影響です。

前置きはこのくらいにして、さっそく林氏から頂いた写真を紹介いたします。

どれもニューヨークのものだそうです。1988年。



現在ストリートビューで見るアメリカの送水口はペンキで全体をがっつり塗られているものが多いのですがここにあるものはすべて金属感が美しいものばかりです。
林氏がそれを選んだのか、この時代がそうだったのかはわかりませんが、嬉しい限りです。




これはスプリンクラー用ですね。
日本のものにAUTOと書いているもの、SPKRと略して書いてある物はないので面白いです。
なによりオールドプレートではスプリンクラー用は・・・今のところないと思うのですがどうでしょう。






そういえば、外国の消防器具はStorzという接続口を使っていることが多い(日本は消防ネジまたは差込式(町野式))と伺ったことがあるのですが、これらの写真にあるものはなんとなくどれも消防ネジっぽいです。




あまりに可愛いので座ってしまいそうです。
星やらハートマークやら、この写真の赤いものはウサギ的な感じもあり見ていて飽きません。
向こう側を向いていてちょっとわかりにくいのですが、この写真の送水口のみ、金属の薄い蓋がついています。そして突起に針金状の金具で留めてあります。
日本にもアクリル蓋というものがあり、有事には割って使います。
こちらは金属板ですがこれも十字に溝が彫ってあり、割れやすくなっています。有事にぱきっと割って使うそうです。
日本では見られない蓋です。





最後の写真。
なんだか不穏な空気が漂っていますがこれはやっぱり「座るなっ」ということなのでしょうか。
つい座ってしまったが最後、かぷっと挟まれそうです。怖いです。
アメリカの送水口にもこんなふうに鎖が付いているんですね。


ちなみに林氏は「パンツタイプ」がお好きなのだそう。
一番上の写真かな?と思っています。
私は・・選ぶのが難しいですが絶対日本ではなさそうということで最後の写真でしょうか。

うまくコメントが付けられずわれながら歯がゆい思いですが、とにもかくにも皆様にご紹介しようと思ってアップさせていただきました。
まだ「膨大な資料の中からあと30枚ほどある」そうなので(林氏が膨大、というともう数億枚あるのではとか思ってしまいます)もうどきどきするばかりです。

本当にありがとうございました!


20131106

大阪神戸、2013秋の陣。閉鎖系に心傷める編 

大阪神戸編その5です。なかなか終わりません。

さて。
岡三証券ビルです。




岡三証券のサイトを見ると、昭和24年前後に建てられたものであることがわかります。
地上4階建てのビルです。もちろん現行の法律・条令では送水口は必要ありません。
しかし、建設時にきちんと火災対策をしたのでしょう、こちらにも単口がありました。

何よりすごいのは、きちんと点検を受けているということです。
点検済みシールが貼られています。

必要ないとはいえ、連結送水管のシステムがあれば心強いのは確かです。
そう考えると、プレートやキャップが新しいのも納得がいきます。有事のときに働くためにしっかり手入れされているということでしょう。
建設当時の建物の資料(http://www.okasan.co.jp/ir/images/established_90_img03.jpg)からはちょっとわかりませんが、もともとはもう少し渋いデザインの送水口がついていたのでしょう。それを見てみたかったとも思いますが、このように現役で頑張っている単口もあるとわかってとても嬉しくなりました。



続いて岡三証券ビルの向かいにある伊藤銀ビルディング。
昭和37年につくられたそうです。

二か所に建て書きがあり、どちらも素敵だったので両方ご紹介。上の方は「ビルデイング」になっています。字体がかっこいい。



その伊藤銀ビルですが、岡三証券の向かい側はこんな感じになっています。


ちょっと下の方に注目。


消防隊専用、と書いておきながら消防隊の方々を苦労させるような構造。
しかし内部にある送水口(←この書き方をしなければいけない時点で酷い)は素晴らしきオールドプレートでした。


このプレートの色合いの美しさ。そして接続口の周りの丸縁のラインの潔癖な感じ。
縦型なのもいいです。

ロゴは何枚も撮ったのに鮮明なのが撮れていませんでした・・・(T_T)


全然関係ないとは思いますが、このビルの近くの道路にあったタイル。
いや、似てるなあと・・・。すみませんそれだけです。


と地面を撮っているうちに見つけてしまったうっかり足跡。
送水口とは全く関係ないです。でも何となくかわいかったのでご紹介。 


さて、古い建物の愉しみは周囲をぐるぐるして送水口探索ができること。
新しいビルのように一か所に集まっているとすぐ終わっちゃうのでまあ楽しくないとは言いませんが見つける喜びというものが味わいにくい部分があります。

さきほどの反対側にきました。

ありますあります。


こちらは透明オレンジアクリルです。
文字やロゴマークは一緒のようです。オレンジも合いますね。とたんにモダンになる。


その一方で閉鎖されてしまった場所。上の写真にも写っています。右側の方です。


建物の構造から考えて、同じ面にもう一つ送水口があるとも思えませんので、こちらは採水口があったのかもしれません。見てみたかったです。




今回の大阪では閉鎖、というか封印されてしまった送水口を他にも見ました。
ざざっとご紹介。

先ずは11月2日のマンホールナイトでも紹介した2枚。

接続口が目のようにうっすらと残り、金属の錆というかそんなものが滴っているかのような物件。


こちらはお墓状態に。



あと数年早く来ていれば見ることができたのでしょうか。 





向こう側に新しい送水口が設置されています。グッドデザイン賞をもらった送水口です。
こちらは静かに眠るのみ。


ちなみにこのビルは和光純薬工業株式会社さまのもの。看板がかっこよかったのでのせておきます。この界隈は製薬会社のビルや倉庫がたくさん集まっていました。

次も閉鎖。
上についている巨大なプレートは何のためのものかわかりませんが、よっち~さんによれば、かつて下のプレート位置には単口がついていたとのこと(ですよね)。
この壁に単口なんて!どうして残しておいてくれなかったのか・・・(泣)


もう一か所も。

因みに新しい送水口は以下の二つ。




こちらはマンションですが、きっちり封鎖。


まだパイプも見ることができます。


こちらも新しい送水口が設置されていました。ごみを出す人がけがしないように、との気遣いがすばらしいですね。(だったら自立式の吊り下げにしてプレートつけなきゃいいのに、とは申し上げませんが・・)もともとの配管は使用しないようにしたということですね。



切なくなってしまいましたが、まだお見せしたい物件がありますので続きます。