平成27年4月。
東京都でも、新たに設置する送水口は差込式にしていく旨、運用基準が変更されました。
消防設備は「分かりやすくも目立たぬよう」、
「確実に働いてもらうけれどもできるだけ安価に済むよう」
非常に難しい要求のもと、工夫されてきたような気がします。
さて、差込式ということはつまり、ねじ部分が要らないということ。
金属部分が少なければ安くなります。
表示で分かりやすくしつつ、派手な要素は少なくなります。
ということで、壁埋設送水口などはどんどん薄くなってきました。
こちらは前回の弘明寺そば(横浜市)にあった送水口です。
これは平成26年に撮影したもの。すでにかなりぺったんこです。
この時「おお」と思って撮影した記憶があります。
ということは、大体この時期辺りから急激に平面化が進んできたのではないでしょうか。
斜めから見ると薄さが際立ちます。
ところで差込式といえば、「アクリル蓋」のもあるよ!と
言いたくなるわけですが、近年はどんどん金属蓋になっている
というか
戻っているようです。取り扱いが楽なのと、どんどん平面に近くできるからかと想像します。
ちなみにアクリル蓋の送水口の場合、やはり枠が立体感を出しています。
こちらは、関内の教育文化センターの送水口ですが、枠がかなり厚みをもってつくられています。
これは村上製作所の特徴ですが、こちらも新しいものは金属蓋に取り替えられました。
(教育文化センターは既に閉鎖されていますが、2017年7月現在、まだこの送水口を見ることはできます)
話が逸れましたが、新しいものはどんどん薄くなり、そして目につきにくくなっているようです。
先に「分かりやすく」とは書きましたが、消防隊の皆様は、建物のどこに送水口があるのか事前に情報として把握しています。ですから、実際の処はものすごく主張せずとも大丈夫であるようです。
そして、ビルや街の景観という観点からも消防設備はそんなに目立たせたくないということもあるようです。これには異論もありますが、仕方ないことでしょう。
というわけで、壁埋設送水口はだんだんと見えにくくなっているという傾向にあるようです。
薄くなるだけではありません。
飾り板をなくしてしまうという方法もあります。
こちらは横浜。
銀座。
そして、こちらはなんと収納されてしまっている例です。(銀座)
ヨーロッパではこのように箱入りにされてしまうことが多いようです。
日本もいつかこんなふうになってしまうかもしれません。
そんな未来は切ないなあ。
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