こんにちは。
今回の題名は【手すり送水口と階段送水口】その2です。
その2というのからにはその1があるわけです。
しかし、そちらには同じ題名はついていません。いませんが、その名に愛着があるのでそのままにしてあります。その記事とは、こちら。
「トロと休日」というゲームの、いわば聖地巡礼に行ったら【手すりが連結送水管になっている!】のを見つけてしまったというお話です。
その後、同じような事例と複数出会いました。
その中でいくつか発見がありました。
①手すり自体が連結送水管になっているものと、手すりに沿って連結送水管が這わせてあるものがあること(区別のため、前者を手すり送水口、後者を階段送水口と呼んでいます)
②この種のものは主に神奈川県内、とくに南の方にあること。県外で遭遇したのは栃木県1例(既に封印済み)
③放水口の先には寺社仏閣、住宅地がある(ことが多いと思う)
設置の理由としては、近くで大きな火災があったから設置したという事例がありましたが、全てがそうかというと何とも言えません。裏付けは取れていません。
もう少し言うと、「連結送水管」というのは少し大げさで、『すでにホースを設置している』くらいの意図であるようですが、今更ですが、よく考えたらそもそも連結送水管とはそういうものであるのですよね…。
とは言え、手すり/階段送水口は消防の手助けとなる存在ではありますが、法律で義務付けられたものではありません(私が条例・規則を調べ尽くしていないだけかもしれませんが)。
また、手すり/階段送水口が破損していたとしても、現代において消火は他の方法で(面倒ではありますが)可能でしょうが、高層階の連結送水管が破損あるいは存在しなかったら、消火はほぼ不可能でしょう。
しかしそれでも尚、手すり/階段送水口は現実に存在する。法令で定められていなくとも、敢えて、わざわざ連結送水管を地域の階段に設置したのです。その事実が胸を打ちます。安全への切なる願い、そのための知恵、設置への努力。
だったらもっとブログにアップしようよということです。
ほんとです。ここ数年記事を書くのをさぼって参りました。これからちょっとずつ掲載していきます。
この手すり/階段送水口、発見一例目は偶然でした。他にも見たいと思いましたが、それほど数は多くない。何となく歩いていて遭遇できるものでもありません。
地図とにらめっこして「怪しい」という場所に見当をつけたり、テレビ番組や動画投稿サイトに上がっている映像の片隅にうつっているのを見つけたりして現地に行く。そしてやっと会えるという感じです。
しかし今回はちょっと違って、そのものずばり「階段の手すりが連結送水管になっていた」という事例が投稿されていたのを目にしたところから始まりました。階段を巡っていらっしゃる 階段巡りツイッター さんが 「三浦半島にはどうも手すりを送水管にしてる階段が多い気がすると思ってた」と、そのものズバリのご指摘をなさっていたのです。
そして、添付されていた写真がまさにそれでした。しかし場所は書いていない。私がまだ見ていないものです。ただ、ありがたいことに写真は場所が特定しやすいものでした。
という訳で今回、横須賀に行ってきたのです。(やっと本題)
階段巡りツイッターさんの投稿には二つの現場が載っていました。
その一つ目は浦賀ドックを見下ろす場所にありました。
浦賀駅を出て、浦賀小学校の裏手の道を行くとその階段の下に出ます。
はい、見えてきましたよ。
おおお、写真と同じ!健在!
胸が高鳴ります。いえ、ストリートビューで確認はしていたのですが…自分の目で見ると興奮します。どきどき。
この階段の先には中学校があります。ここを毎日のぼりおりできる中学校生活。羨ましい。
送水口が見えてきました。
到着!
正面から見て見ましょう。
なんと、送水口は固く蓋されています。鉄蓋です。
どうやっても外れません(すみません試してしまいました)。
鉄蓋は、風雨にさらされて下の方が腐食し、穴があいています。
のぞいてみると…おかしの袋…の向こうに
おお、鎖が見えます。
送水口の蓋らしきものも見えます。その先端には鎖留もあります。
これ以上はわかりませんでした。無念。
ところでこの送水口の下部分、ここにはこの場所を特定できるプレートが貼られていました。「浦賀青少年の家」の看板です。階段巡りツイッターさんのご投稿にそれは写っていました。グーグルマップでも見られます。ちなみに、もっと前には「自転車はきちんと停めなさい」という意味のプレートが貼られていたようです。
しかし、グーグルマップに補足されていないもっともっと前。きっと「これは送水口だからいたずらしないでね」などの看板があったのでは…と想像しています。
看板を留めていた螺子だけが、今は残っています。
送水口ケースの裏側。
…さて、階段をのぼっていきましょう。
かなり険しいですが…
到着!きつかった…でも、振り返ると浦賀の町が一望できます。
さて、こちらは放水口でしょう…
こんにちは…ってあれ?
あれれれ?
わああああ、な、中島式!!!!!!!
中島式は船舶の消防設備に使用される接手です。
差込式、ねじ式のように凹凸の区別がなく、強固に接続し、かつより外れにくい仕組みになっているものです。
下の写真は、砕氷艦しらせのホースです。同じですよね。(2012年9月撮影)
それが…陸上で見られるなんて!!
いやしかし、どうして陸上に?
消防隊が来て「は?どうするのこれ?」ってならないの?
と、頭が?で満たされます。
すぐに思いつくのは、ここが浦賀であるということ。
この階段の下にはかつて住友重機械工業株式会社旧浦賀工場がありました。造船のまち浦賀。中島式は身近で、業者にそのストックは十分にあり、消防もそのアダプタをきちんと持っていたと想像されます。
いやそれにしても…びっくりです。
三崎の例と同じように、止水弁や開閉弁もなく、あくまでも延長ホースの一つとして設置されているようです。
もう少し内部を覗いてみましょう。
かなり奥まったところに空き缶…さすがに取れませんでした。
そして何故か手前にはどんぐり。
ついつい集中して撮影しているとこの階段を転げ落ちそうになります。気を付けないといけません。
そうそう、そう言えばこの階段の上には中学校があるのでした。
手すりを連結送水管にしてまで水を送り届けたかった施設。
住宅地、寺社仏閣、…というのがこれまで出会った手すり/階段送水口の目指す場所でしたが、ここはこの中学校に…?と思って調べたら、ここにはかつて造船所青年学校の校舎があったということです。それを守るためだったのでしょうか…ちなみに三崎の手すり送水口ができたのは1975年以降です。さすがにそんなに古いわけが…
ということで今度現地の図書館に行ってみたいと思います。
この先に行ってみようかと思いましたがどこから中学校の敷地なのか分からないので恐れをなして引き返しました。
さあ、そろそろ下りて行きましょう。
それにしても頑丈そうな覆いです。中学生たちは気にならないのかな?
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