20251226

【手すり送水口と階段送水口】 その3 照準器付き? 湘南町屋の手すり送水口

 横須賀の手すり送水口(前回の記事)のあと、もう一基紹介されていたので、そちらを見に行くとしましょう。

次は鎌倉市内。大船駅からモノレールに乗っていきます。

降車したのは、湘南町屋。




坂をのぼって…


「ここには手すり送水口はついていないな…」と気になる階段を横目に見つつ歩き続けると…


ここ…!!
事前確認のためにストビューで見た景色!


どきどき


どきどきどき


はい来ました!



あああ?
これは…『階段の頂上に送水口』!!!


えええ?
どうしたのかな…逆に設置しちゃったの??
これまで見てきた手すり/階段送水口の事例はかつては(あるいは現在も)消防車が到達できなかったであろう高台へと水を送るためでした。
ということは勿論、麓にあるのは送水口、そして頂上には放水口があったのです。


いや、でも、
現実として、目の前にあるのは送水口です。

このひとつ前の記事で見た手すり送水口は中島式でしたので、両端とも同じ形式でした。
しかしこれは明らかに…


まあ一旦落ち着いて横顔を眺めましょう。
あら、鎖留の先に…自転車の鍵。
おちないように、自転車の鍵のゴムでくくりつけてあるようです。

送水管部分に付いているのは新日鉄のロゴマークでしょうか。

落ち着いてきました。
では次に、正面顔をば。


もっと見ていたいのですが、住宅地の中で手すりを撮影しているのは割と不審な感じもいたします。そろそろ、おりていきましょう。

おりる前にもう一枚。下からの送水口(逆光……)。



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さて、下側の写真をお見せする前に、少し種明かしをしておきましょう。

上に送水口があるのは、決して間違いではありません。

地図で見ると、
送水口がある頂上側は南です。
こちらは、道路も広く、送水口付近の住宅にも車が停まっています。
消防車で接近できることが分かります。
因みに、ストリートビューも頂上まで来ています。グーグルカーも来れたということです。

一方逆サイド付近となる北の方は、どうでしょうか。
道も細く、うっそうとしています。
西側にはお塔様と呼ばれる小さな祠があります。江戸時代の領主であった奥平氏の娘、崇高院のお墓だそうです。(湘南モノレール公式サイト:沿線情報による)
また、昌清院という大きなお寺様もあります。
こちらへの給水ルートである可能性は高いと考えます。

…ということは、階段の下にあるのは、放水口。

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はい、階段をおりてきました。
やはり送水口の逆サイドには放水口があります。
とりあえず、こんにちは。ご挨拶の正面顔…


…の上に、何やら見慣れぬ部品が付いているではありませんか。

これは…バルブハンドルでしょうか。


建物に設置されている放水口にはバルブが付いているのですが、これまで見てきた手すり/階段放水口にバルブは付いていませんでした。
前回も書いたように、あくまでもそこに「あらかじめホースを設置している」という扱いだからでしょうか。

それなのに、ここには付いています。立派なバルブとバルブハンドルが。
他の場所とは異なり、この手すりが上から下に送水するための連結送水管になっているからだと思われます。

ぱっと見、ハンドルらしくはありませんが、きっとこの空洞部分に棒を差し込んで、ぐるっと回して使うのでしょう。

なんだか、照準器のようですね。
いやあ、よいものを見ました…眼福でございます。

むう…横顔もよい…
フランジとアダプタで、非常に無骨に見えます。かっこいい。

左側からも…
おっと、こちらには本体側の鎖留が無いのですね。
蓋が持っていかれませんように



さて、そろそろ此処から離れましょう。
後ろ髪をひかれますが…


そして坂を下ります。ほらね、とても狭い道です。
右側は昌清院の敷地です。
ここまで下ろしてきた水を左側に送水するとは思えないので、
やはり昌清院に送るための設備だったのでしょうか。


帰りは少し歩いて、富士見町駅からモノレールに乗りました。

モノレールがすれ違うたびに、線路が動くのがたまらなく好きなのですよね。
しばらく見上げる…



一日に二つの手すり送水口を見たので、満足感でいっぱい。
しかも、それぞれとても学びがありました。



まだ、このサイトに載せていない手すり/階段送水口もありますので、
今後も記事を作り続けていきたいと思います。

いや、商店街送水口も
ロゴ続編も
イベント関係も
送水口博物館関係も…

書くべきことはたくさんありますね。
健康に気を付けて、がんばっていこうと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。








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