今回は応用編です。
送水口には
「壁に付いている仲間」と「地面から生えている仲間」があると その1 でお話しました。
送水口は、もちろん「製品」です。刻印される文字や取り付けられるプレートはともかく、本体は規格品です。
けれど、設置場所や設置のタイミング、あるいは点検作業の簡素化を目指すことによって基本的な形式とはちょっとずつ異なる様子の送水口が存在するようになります。
今回は、それらを紹介していきます。(既製品との差異が少ない順に)
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①改修・取り替えによる外付け送水口
送水口は、設置後10年が経過したものに対して耐圧性能点検が行われます。(その後3年ごとに実施)
実際に送水口から水を送り、送水口に変形が無いか、配管や本体などに水漏れが無いかを調べるのです。
その検査で要改修となった場合は取り換えることになります。しかし、送水口からの配管は建物内部に設置されているので丸ごと取り替えるには、最悪の場合建物を一部破壊しなければなりません。
それを避けるため、送水口を壁に埋めたり、地面に生やしたりすることなく、建物の外壁に新たな送水口を付けている物件がとても多くあります。
これらは、既製品を上下逆に取り付けたり、配管を露出させた状態で取り付けたりしています。ですから非常に奇異に見えますが その1 で紹介したものと特に異なる送水口ではありません。
ただ、自立型送水口が「ん?なんだか天地が…あれれ、このまま一生逆立ちしてるの??」と思っていたり、壁埋設型送水口が「寒い…早く壁の中に入りたい…」と呟いたりしていないか、などと妄想を広げてしまいます。
アーケード商店街の天井から吊下げられているのがこの送水口です。
吊下げられてはいますが、使われている本体は、自立型と似ています。
一般的な自立型(縦双口)と比べて多少接続口の間隔が長いものが多いです。
理由はよくわかりませんが、まだ縦双口自立型が生まれる前に「できるだけ通行の邪魔にならないように」との考えで縦に並べた結果、このようになったのではないかと思われます。
また、それぞれの接続口が回転するようになっていたり、配管自体が一回り太いカバーで覆われていたりする場合もよく見かけます。後者は、アーケードの雰囲気に合わせたデザインにするためでしょう。
稀に、露出Y型送水口や壁埋設に用いられる送水口が付いている場合もあります。
不思議なことに、こちらの方はもう「通行の邪魔にならないように」ということを諦めてしまったためか、既製品をそのまま使っているものが多いように感じます。
③箱入り送水口
他の章で詳しく説明しますが、送水口本体にはその後方に「止水弁」「逆止弁」などが付いています。通常これらは壁の内側や地面に設置されます。
が、なんと、「蓋を開けたらすぐ見える!」というように一体化してしまったのがこちらです。
箱入りといえば「北浦製作所様」というのが(私の中で)定番だったのですが、立売堀様のものも見かけるようになってまいりました。
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